よしだハートクリニック ブログ

 院長が伝えたい身近な健康のはなし

インフルエンザについて(2)

2010-12-01 08:30:04 | 健康・病気

インフルエンザに感染すると、潜伏期間13日と短い期間を経て突然の発熱(38度以上)、著明な全身倦怠感、関節痛、筋肉痛などが出現し、通常の風邪とは違う重症感があります。通常は57日で解熱し全身症状も改善しますが、急激に呼吸状態が悪くなるウイルス性肺炎やインフルエンザ脳症と呼ばれる意識混濁、全身痙攣など命にかかわる合併症をきたすこともあります。他人への感染力は、発熱前1日から解熱後2日まであると考えられており、その間は人との接触を避けるのが望ましいです。

ウイルスですから抗生物質は効果なく、以前は対症療法(解熱薬、鎮咳薬など)しかありませんでした。しかし、最近はインフルエンザの特効薬が出現し非常に効果をあげています。ノイラミニダーゼ阻害薬と呼ばれる薬は、ウイルスの増殖を抑える働きがあり、感染早期に服用すると症状の進行を抑え劇的に症状が改善します。現在日本では、経口・吸入・点滴の投与方法で4種類が使われています。タミフルがその代表で、昨年の新型インフルエンザの流行時には、日本での致死率低下、感染拡大の抑制に大きな貢献をしたと考えられています。しかし、その乱用により耐性菌も出現していることや若年者では副作用として異常行動がおこる危険性が指摘されていることが問題となっています。

ワクチンや薬の力を借りないでインフルエンザを撃退するにはどうしたらいいでしょうか? それは自己免疫力を高めることです。これができれば少々インフルエンザの流行の型が変わっても対処できます。

具体的には、ストレスを避け休養をとる、入浴し体を温める、運動する、よく笑う、黄緑色野菜、きのこ類を食べる、手の爪付近を揉む、モーツアルトの音楽を聴く・・・などいろいろあります。基本的には、副交感神経活動を活発にしてリンパ球活性を高めることが理論的根拠になっているようです。

皆様も自分にあった方法を実践し、インフルエンザに負けない体つくりを心がけたらいかがでしょうか?