文春文庫
2004年8月 第1刷
2019年5月 第44刷
解説・吉野仁
614頁
中谷美紀さん主演の連続ドラマWが良かったのと、映像では描き切れなかった部分があるのではないかと思い読んでみました
帝都大学アメフト部のOB西脇哲朗は10年ぶりにかつての女子マネージャー日浦美月に再会しある「秘密」を告白されます
その秘密とは、美月が実は子供の頃から男性の心を持っていたということ、そしてある男を殺害してきた、ということでした
哲朗の妻でやはりアメフト部のマネージャーだった理沙子や友人たちを巻き込みながら物語は進みます
学生時代は毎日のように顔を合わせていたのが、就職後、いつしか仕事に忙殺され、たまにしか会えなくなります
ただ無心で日々を過ごしたり夢を追いかけていたりした若い頃も、いつのまにか過去のものとなります
そんな苦い追憶や隠された友情と恋愛と探偵物語です
そして中で取り上げられているのが性同一性障害、トランスセクシャルやトランスジェンダーの問題
美月の来し方を調べていた西脇がある人物から聞いた言葉
「性同一性障害という病気はない、男か女か、はコインの裏表ではなくメビウスの輪のようなものである」
これが後々、西脇に大きな影響を与えます
マイノリティは社会に受け入れられたいと願うもマジョリティは排除しようとします
本作には、マイノリティから社会へ以外にも様々なかたちの片想い、理解して欲しい相手に分かってもらえない切なさがあふれています
登場人物たちをアメフト部時代のポジションの特質や行動に合わせて上手く配置しています
TVドラマを観ていたおかげでスイスイ読めました
ドラマで描き切れていないのでは?と思った部分はやはりそこまででした
しかし、それに対し不満はありません
良い本を読みました^^
ドラマ版、私も見たかったなあ・・・
結構前の作品なのに、今も変わらずに読める内容ですよね。
中谷さん、お綺麗です。
素敵な旦那様が見つかって、よかったなあ
と思ったら今日午前は台風10号の影響で土砂降りでした。九州、沖縄方面に被害の出ないことを祈るしかありません。
ドラマ、良かったです。機会があったら是非見て下さいね!
中谷さんの結婚報道には驚きました。お似合いのお二人で中谷さんならこれくらいの人でないと無理かしら、なんて思いました。