原題 Labor Day
2013年 アメリカ
夏の終りの5日間
過去の傷にとらわれた母を救い出したのは
心優しい脱獄犯だった-
1987年の夏の終わり
アメリカ東部、ニューハンプシャー州の小さな町に住む13歳のヘンリー(ガトリン・グリフィス)は、過去のつらい出来事からトラウマを抱え、ひきこもりがちな母アデル(ケイト・ウィンスレット)と二人で暮らしている
母と別れ、再婚、新たな家庭を築いた父(クラーク・グレッグ)は一緒に住もうと誘ってくれるがヘンリーは上手く生きられない母を守り抜くと決意していた
映画はヘンリーの目を通して描かれます
木曜日
週明けにはレイバーデイ(労働者の日とされる9月第一月曜日)をひかえ、月に一度の買い物のため母とスーパーに出かけたヘンリーは怪我をした見知らぬ男から助けを求められる
フランク(ジョシュ・ブローリン)と名乗る男は断ろうとするアデルの車に強引に乗り込む
フランクは脱獄犯だったが、アデルとヘンリーに危害は加えない、という
テレビから流れるニュースではフランクは殺人罪で18年の服役中らしい
翌金曜日、アデルのために朝食を作ったり、家の補修や車の整備など大人の男性しかできない仕事をこなすフランク
作業が終わると、まるで不在の父親代わりのようにヘンリーにキャッチボールを教えたりする
次第に緊張を解いていくアデルとヘンリー
二人は、突然訪ねてくる近所の住人に対してもうまく対応し、フランクを匿うのだった
レイバーデイ前日
アデルはついに一大決心をする
そもそもフランクが殺人を犯した顛末が映画の合間合間に挿入され
それで彼が根っからの悪人ではないことがわかります
理不尽としか思えないようなアクシデントで投獄されていたのです
父親不在の中、心の病を抱える母親を支えようとするヘンリー
だけれど、やはり13歳
彼も父親を欲していたところに現れたフランクは理想の父親像でした
アデルとフランクの接近は露骨ではないのですが、とてもエロティック
それを見つめるヘンリー
思春期を迎えた少年の性の目覚めや心の不安定も上手くストーリー展開に組み込まれていました
ネタバレになりますが
フランク、アデル、ヘンリーの3人は家族を装ってカナダへの逃亡を企てます
ところが、やはりそう簡単に事は運ばずフランクは逮捕されてしまうのです
この映画の素晴らしいところはこれで終わらないところです
その後のヘンリーの成長と、これ以上はないハッピーエンドにホロリとさせられました
後日談があることは
ナレーションを聞いていれば想像は出来たのですけどネ
しっとりと心を満たしてくれた映画でした
生活に疲れた母が次第にイキイキとした美しい女へ変貌していくさまを、少年は恐れているように見えます。その演技の素晴らしさもありましたね。
それにしても、フランクは理想の父親でもあり、理想の夫でもありました・・・。
ヘンリー少年の大きな瞳が全てを語っていましたね。
とてもとても長い時間がかかったけれど、最後には幸せが待っていた、という終わらせ方に拍手を送りたいです。
あれ以外の出会いだったらフランクとアデルはやっぱりうまくいかなかったのかなぁ、なんて想像は下司ですネ。
TB、ありがとうございましたm(__)m
大人テイストの5日間でしたね~♪
ケイトは女として、母として、
揺れ動く心の機微を上手に演じていたと思います。
派手さは無いですが、ジョシュも上手かったと思いました。
トビー、あれだけだったんですね(笑)?
ナレーションだけではなかろうと思っていたのですが、ここまで引っ張られるとは、でしたね。
実に味わい深い映画でした。