訳・田久保麻理
白水社
2008年8月 発行
185頁
1919年冬、ロシアの若き赤軍兵士たちが敵軍に追われ逃げていきます
厳しい寒さと空腹で次々と仲間を失いながら、ささやかな日常の喜びを分け合い絆を深める四人、この物語の語り手であるベニヤ、そしてパヴェル、シフラ、キャビン
ベニヤの決して上手くない語りに慣れるまでは退屈
若者たちの他愛もないおかしくも切ないエピソードが繰り返されます
苦しい日々だからこそ、なるべく愉快に心地よく日々を過ごそうとする姿は生き抜くために必要なことなのです
でも、終盤に戦争孤児のエヴドキン少年が加わってから、少しずつ様子が変わっていき、圧倒的な結末が彼らを待ち受けていました
極寒の冬を乗り切り、春を迎えた彼らが無事逃げおおせ、故郷に戻る日が来るのかと思いきや
最後の数頁に初めて描かれる戦闘シーンによりその甘い夢は見事に打ち砕かれました
哀しい物語ではありますが何故か読後感は爽やかでした
良いですよね。
薄い本なのですが、力を感じました。
http://blog.livedoor.jp/todo_23-br/archives/31957598.html
短いので助かります♪