光文社文庫
2015年3月 初版第1刷発行
解説・平木靖成
347頁
玄武書房の営業部員・馬締光也は言葉への鋭いセンスを買われ、辞書編集部に引き抜かれます
新しい辞書『大渡海』の完成に向け、彼と編集部の面々の長い長い旅が始まります
定年間近のベテラン編集者・荒木
日本語研究に人生を捧げる老学者・松本
主に資料整理を担当する契約社員・佐々木
辞書編集部から宣伝広告部へ異動になるも大渡海の発刊に助力を惜しまない西岡
ファッション雑誌編集部から異動でやってきた岸辺
2024年2月から放送されたNHKドラマでは主人公だった岸辺みどりと宣伝広告部のチャラい西岡に記憶が無かったので再読を思い立ちました
発刊は10年前
けれど辞書編集部の面々が日々、生き生きと仕事に励む姿に
全く古さを感じません
さらに、本作を令和のドラマに仕立て上げたNHKさん、素晴らしい!
2013年公開の映画も再鑑賞を考えましたが、まぁそのうちに(当時は宮崎あおいさんがあまり好きでなくて評価が低かったです)
解説の後に収録されている『馬締の恋文』全文公開
西岡と岸辺の解説付き
2人の解説が無かったら香具矢さんと同じく、何と解釈してよいのやら、です
でも馬締の誠意は十分伝わってきます
本当に、面白いキャラです
しをんさん、よく考え出されましたね
文字、漢字、言葉、解釈の大切さを改めて認識
分らない単語や用法があるとPCやスマホで検索していましたけど、辞書を引いて比較してみるのも面白そうです
私の目の前にある岩波国語辞典は
1963年4月 第1版第1刷発行
2000年11月 第6版第1刷発行
馬締たちのような編集部の方々の長い長い時間を費やしたお仕事が偲ばれます
ちなみに「恋」=異性が対象、「愛」にも男女が云々、とあります
2000年は同性間の恋愛や性同一性障害への理解はまだまだだったようです
外箱に小さく載っているミレー『種をまく人』はナイス^^
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