「ハワーズ・エンド」
原題 HOWARDS END
1992年 イギリス、日本
【Amazon Prime Video】
原作 E・M・フォースター
20世紀初頭のイギリスを舞台に、知的中産階級で理想主義的なシュレーゲル家と現実的な実業家のウィルコックス家、2つの家族がウィルコックス家の別荘「ハワーズ・エンド」をめぐって繰り広げる運命的な人間模様を描きます
シュレーゲル家の長女・マーガレットにエマ・トンプソン、次女・ヘレンにヘレナ・ボナム・カーター
ウイルコックス家の当主・ヘンリーにアンソニー・ホプキンス、その妻・ルースにバネッサ・レッドグレーブ
美しい田舎の風景、都会の雑踏、上流階級から下流階級まで、当時の様々な英国の顔を見せてくれます
ウィルコックス家の家風には納得のいかないところもありますがそういう時代だったと考えるしかありません
ルースとマーガレットの交遊、ルースの遺言、ヘンリーとマーガレットの結婚、ヘレンの恋etc
原作では詳しい説明が成されているのかしら?
それはさておき
役者さんたちが登場人物たちの個性を見事に演じており配役で成功した作品と思いました
「ラ・ブーム」
原題 LA BOUM
1980年 フランス
【BSプレミアム】
13歳の少女・ヴィック(ソフィー・マルソー)が青春の入口を通り抜け人生の喜びと悲しみに触れる様を描きます
歯科医の父(クロード・ブラッスール)は以前の浮気相手に迫られあたふたしっぱなし
漫画家の母(ブリジット・フォッセー)は出版社への売り込みに成功し連載を任されることになり忙しくなります
週末に開かれるブーム=パーティで、思いを寄せるマチューに近づきたいヴィックは忙しい両親に自分の気持ちを言い出せず相談事は全部祖母に持ち込みます
祖母のアドバイスは気が利いていてナイスですけど危うい年頃の女子には危険すぎるのではないかしら?
ラスト、あれほどマチューを思っていたのに、どこからか現れた青い目の男子に一気に心を奪われてキスまでしてしまうヴィック
人の心は移ろいやすいものなのネ
両親のように心から愛せるパートナーを見つける日が来るまで、ヴィックは何度恋をするのでしょう
ソフィー・マルソーが可愛くてキュートです
父親の浮気の顛末が爆笑もので作品のよいスパイスになっていました
「ライド・ライク・ア・ガール」
原題 RIDE LIKE A GIRL
2019年 オーストラリア
【ムービープラス】
オーストラリア競馬最高の栄誉とされるメルボルンカップで女性騎手として初めての栄冠を手にしたミシェル・ペインの半生を映画化
10人きょうだいの末娘として生まれたミシェル(テリーサ・パーマー)は生後間もないころ母親が交通事故で他界しますが、父親(サム・ニール)や兄、姉たちに囲まれて健やかに成長します
ペイン家は調教師の父を筆頭に、兄たちのほとんどが騎手、姉たちも騎手の経験がある競馬一家でした
ミシェルも当然のように騎手を目指し、華々しいデビューを飾ります
その後も順風満帆かと思いきや、性差別という大きな壁が立ちはだかります
それでも根性で突き進むミシェルに今度は落馬による大怪我という不幸が襲い掛かります
しかし、きょうだいの中で一番仲が良いダウン症を患うすぐ上の兄・スティーヴィー(スティーヴィー・ペイン 本人)や父の支えもあり見事に復帰、メルボルンカップに挑みます
脳を損傷したミシェルのリハビリで
理学療法士の質問に自分の名前の綴りが言えないのですが、父の質問「メルボルンカップ歴代優勝馬と騎手の名前」はスラスラと言えるのです
素敵でした
娘にとっての一番が何か、理解している父だから出てきた質問です
娘を失いたくない一心から騎手の道を諦めさせようとしていた父でしたが彼女の気の済むようにやらせる決心をするのでした
まるで競馬のレースみたくテンポ良く無駄のない展開
クライマックスは最終コーナーを抜けて直線を一気に駆け抜ける爽快感に満ちています
私も一緒にガッツポーズをしてしまいました
最後に実際のミシェルたちの映像が流れます
スティーヴィーとの兄妹愛にも感動
素晴らしい作品でした
「アンティーク~西洋骨董洋菓子店~」
原題 ANTIQUE
2008年 韓国
【チャンネルNECO】
原作 よしながふみ
親に無断で一流企業を退社したジニョク(チュ・ジフン)は小さな洋菓子店“アンティーク”を開店
フランスで修業し、パティシエの腕は一流ですが男性関係のトラブルで店を転々としてきた魔性のゲイ、ソヌ(キム・ジェウク)ら3人の仲間も加わり、評判の店になっていきます
そんなある日、町で誘拐事件が発生し…
冒頭に流れるのは高校生だったソヌがジニョクに告白しフラれるシーン
2人の偶然の再会から、どんな展開になるのか、100%コメディかと思いきや、ジニョクが幼い頃に背負った重荷と甘いものが苦手なはずが洋菓子店を開いた目的が明らかになってきてミステリー色が強くなります
『人は幸せな時にケーキを求める』
トラウマを抱えつつもポジティブに生きるジニョクを中心にイケメン男子4人が繰り広げる物語はポップで楽しく、でもほろ苦さもあって、軽そうながら実は奥が深い作品でした
「エイブのキッチン・ストーリー」
原題 ABE
2019年 アメリカ、ブラジル
【ムービープラス】
ニューヨーク、ブルックリンに暮らす12歳のエイブ(ノア・シュナップ)はイスラエル人の母とパレスチナ人の父を持ち、文化や宗教の違いから事あるごとに対立する家族に囲まれて育ってきました
エイブの唯一の心の拠り所は料理を作ること
ある日、世界各地の料理を掛け合わせたフュージョン料理を作るブラジル人シェフのチコ(セウ・ジョルジ)と出会います
チコの元で料理を学ぶエイブは自身の複雑な家庭環境とフュージョン料理を重ね合わせ、自分にしか作れない料理で家族をひとつにしようと計画を立てます
エイブの心づくしの料理に父方の祖父母と母方の祖父母、両親とも歩み寄ってくれるかと期待したのですが…
民族の歴史的背景や宗教、文化の違いなどの障害を乗り越えて結婚し、子供をもうけたはず、だったのに…
エイブに罪はないのにどうしてこれほど辛い思いをしなければならないの?
イブラヒムでもアビでもエイブラハムでもアブラハムでもなく、僕は“エイブ”と呼ばれたいんだ!
ノア君が可愛すぎて胸キュンでした
ほぼ無宗教の自分には理解できない部分がありましたが、当事者にとっては本当に大切なものなのですね
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