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映画・バルーン 奇蹟の脱出飛行

2020年07月16日 | 映画(海外)
原題 BALOON
2018年 ドイツ
【センチュリーシネマ】

東西冷戦下の東ドイツを舞台に、手作りの熱気球で西ドイツへの亡命を目指す家族の脱出劇を実話をもとに描きます

1979年、抑圧された日常を送る電気技師ペーター(フリードリヒ・ミッケ)とその家族は友人のギュンター(デビッド・クロス)と二人で作った熱気球で西ドイツを目指しますが国境まであと数百メートルの地点に不時着してしまいます
何とか自宅に帰り表面上はこれまで通りの生活を送るペーターたちですが、不時着した熱気球の残骸を見つけたシュタージがじわじわと捜査網を縮めてきます
アメリカ大使館に助けを求めようとスパイ映画並みの手段で大使館内に手紙を届けますが上手くいかなかったようで無の礫…
諦めかけたペーターに長男がもう一度熱気球を作ろうと提案したことで今度はペーターとギュンター、それぞれの家族合計8人での亡命を計画します

最初から最後まで重々しいBGMが流れ、緊張の解ける間がなくてキツイ内容でした
それでもユーモアのあるシーンもあって、ひとつ置いて隣のオジサマは時々笑っておられましたが、私はとても笑う気分にはなれませんでした

生き辛い監視社会で、東の人々が内心は西へ逃げたいと思っているのがそこここでみえたのが少しの救いと同時に悲しかったです
ギュンターの息子が通う幼稚園の先生がシュタージに子供たちに不審な点はないか尋ねられるシーンは万事休すか!と思いましたが、先生は知っていながら誤魔化してくれました
他にも万事休すか!で肩に力が入るシーン多し
その後もいよいよダメか、逃げ切れるのか、ギリギリの連続の中、熱気球は無事空へ
でも、離陸してからもトラブル発生、東のヘリが接近と気が抜けません
実話に基づいているので亡命が成功するのは分かっていても心臓に悪い映画でした(笑)

彼らの亡命から10年後、ベルリンの壁が壊され東西の往来が自由になります
ペーターが「まさか壁がなくなるとは思っていなかった」と語るシーンが印象的でした
最後に実際の2家族の写真が流れます
本当に実話だったのですねー

シュタージのお偉いさんが「西へ行きたい不満分子は行かせればいいんだ、残った者が健全な社会主義国家を築くのだ」という台詞からは底知れぬ恐怖を感じました
亡命した人の関係者がどんな目に合わされるのか想像するだけで恐ろしい…
      



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