時代小説文庫(ハルキ文庫)
2016年2月 第1刷発行
279頁
「あきない世傳 金と銀」シリーズ第1巻
享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸
父から「商いは詐りなり」「手指の美しい者は働かない者」と教えられて育ちますが、享保の大飢饉や兄、父の死を経て、齢九つで大坂天満にある呉服商「五十鈴屋」に奉公に出されることになります
やがて番頭の治兵衛に才を認められ、徐々に商いに心を惹かれていきます
五十鈴屋の面々の人物造形が良いです
一部を除いてクセはあっても心根は優しい人ばかり
それに、幸の持っている強さ、図太さのおかげで安心して読むことができました
幸が阿呆ぼん、四代目・徳兵衛の後添いに?
「一生、鍋の底を磨いて過ごす」女衆の道では幸の天賦の才が埋もれてしまいますが、次男の惣次より商才に劣る徳兵衛では、勿体ない…
高田郁さんは「澪つくし料理帖」で満腹だったのですがNHKBS時代劇でドラマ化されると知り読んでみることにしました
面白い!
江戸時代の大坂の商売人について「銀二貫」よりさらに詳しくわかりやすく描かれています
これは次巻も急いで読まなければなりません
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます