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カズオ・イシグロ「わたしたちが孤児だったころ」

2019年12月27日 | 海外の作家
訳・入江真佐子
ハヤカワ文庫
2006年 3月 発行
2017年10月 12刷
530頁
解説・古川日出男


上海の租界に暮らしていたクリストファー・バンクス
10歳の時に貿易会社に勤務する父と反アヘン運動に熱心だった母が相次いで謎の失踪を遂げたため孤児となりロンドンに帰国して叔母の元で暮らすことになります
両親の行方を突き止めるために探偵を志したクリストファーは、やがて幾多の難事件を解決し社交界でも名声を得た後、戦火にまみれる上海へと舞い戻ります

時代は、20世紀初頭から半ばまで
クリストファーが過去を回想する形で語られます

読み終えて…

カズオ・イシグロは「浮世の画家」に次いで2冊目
「浮世の画家」のTVドラマと、映画「日の名残り」も観ており、カズオ・イシグロの癖といいますか個性が少し分ってきたところなので最後まで読めたと思います
もし、本作が初・イシグロだったら途中で放り投げたかも…

文頭、私の記憶が正しければ…、の類の多用に諄さを感じてしまったこと
上海で親友だったアキラとの再会、と思いきや「?」、クリストファーーのミス・ヘミングスへの態度が宙ぶらりんなこと
何より母親の壮絶な人生がショック過ぎました

まだ2冊積んでありますが、過度な期待はせずノーベル賞受賞作家を読んでみよう、くらいの気持ちで読むことにします
文体や筆致が私の性に合う合わないの問題で、カズオ・イシグロを否定するわけではありませんので誤解無きよう<m(__)m>

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