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映画・ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路

2011年05月06日 | 映画(海外)

 

原題 NANNERL,LA SCEUR DE MOZART
2010年 フランス
 
 
主人公は
モーツァルトより5歳年上の姉
マリア・アンナ・モーツァルト、通称ナンネル
 
1763年から1766年にかけてパリとロンドンを訪れたモーツァルト一家の旅の記録にフィクションを交えて描いた作品です
 
幼い頃より、父・レオポルド・モーツァルトから音楽教育を受け、神童と評判の弟・ヴォルフガングと共に、各地で黄金の声とクラヴィーア演奏に喝采を受けながらの旅
しかし、彼女が本当にやりたかったことは、作曲だった
頭の中で響く音楽を譜に著す術を父に請うのだったが「女には作曲は難しい」と拒絶される
ヴォルフガングが最初に作曲したものは実はナンネルによるものだった?
娘の才能を知り、困惑した表情を浮かべながらも、当時の「常識」に従い、その後も一切作曲を教えなかった父
現代からすれば、子供の才能を伸ばそうとしないただの頑固親父ということになるのでしょうが、そういうことは有り得ない時代だったのでしょう
それに、父親として、娘を心から愛していたのは確かです
 
 
フランス王太子との恋がナンネルの作曲家としての才能を開花させます
ロンドンに向かう家族と離れ、一人パリに残り、音楽教師をしながら男装して学校で作曲を学びます
しかし、最後は王太子から冷たく追い払われ、自分が作曲した楽譜を暖炉で燃やし傷心のまま再び家族の元に戻ります
この、王太子の態度というのも、ただの遊びだったのか、それとも何人も愛人を持ち私生児を生ませている父ルイ15世の血を嫌ったからだったのか、はっきりとは解りません
 
ザルツブルグに戻って後のナンネルについては字幕で簡単に語られるだけで彼女が作曲したものは一切残っていないようです
 
ナンネルは生まれたのが少し早かっただけで
あと100年後に生まれていれば現代に名を残す作曲家になっていたかもしれません
 
18世紀後半のヨーロッパ上流社会
男装したナンネルが実は女性だということに誰も気づかない
気づかない振りをしているだけ?
案外、男装して活躍していた女性が多かったのかしら
などとと思いました
 
音楽の才能を存分に発揮出来なかったナンネルは果たして不幸だったのでしょうか
理不尽がまかり通る時代に、自分の生を全うした強い女性だったのかもしれませんね
 
 

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2 コメント

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初めまして (Jasmine)
2011-05-06 22:41:27
トラバをたどって参りました。
本をたくさん読んでいらっしゃるんですね。
私は楽譜以外の書籍を最近読んでいないので、これでは左脳が退化してしまうのではないかとやや心配です、オススメの本があればご紹介ください。

オペラではよく変装して逢いにいくというシーンがあります。見え見えじゃない?と思ったりするのですが(それから仮面舞踏会とか・・・)わかるようなわからない、それが「大人」の付き合い方なのかもしれませんね。
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Jasmineさん (こに)
2011-05-07 10:27:16
初めまして
コメント&トラバありがとうございました

楽譜が読める人
尊敬します
羨ましいです
お薦め本を挙げるなんて烏滸がましい限り
^^;
適当に読みたい本を読んでいるだけの主婦です

男装や女装はある意味憧れなのかもしれませんね
最近はどっち?という若者が増えましたが…
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