2019年公開
スタッフ・キャスト
解説
『スーサイド・スクワッド』『アラジン』などのウィル・スミス主演によるSFアクション。
ウィル・スミスが現在の自分と若い自分の2役を演じ、「ブロークバック・マウンテン」「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」の名匠アン・リーがメガホンをとった近未来アクション。
若いころの自身のクローンに命を狙われる暗殺者が、陰謀に巻き込まれる。
主演のスミスは現在のヘンリーのほか、クローンである若いヘンリーも演じ、クローンのヘンリーは最新のデジタル技術によってスミスの外見を若返らせている。
『10 クローバーフィールド・レーン』などのメアリー・エリザベス・ウィンステッド、『クローサー』などのクライヴ・オーウェンらが共演。
あらすじ
DIAに雇われる世界一の腕を持つスナイパー ヘンリー・ブローガンは、多くのターゲットの頭を撃ち抜き葬ってきた。
だが、あるターゲットを狙っていたとき、少女がいたため狙いが逸れ、殺害には成功するも首を撃ち抜いたことに落胆し、引退を決める。
引退生活を送っていたヘンリーは、レンタルボート屋でダニー・ザカレウスキーと知り合い、旧友のジャック・ウィリスと海上で落ち合う。
そこでヘンリーはジャックから、ヘンリーが最後に殺害したターゲットは生物兵器を用いたテロリストではなく、正体は分子生物学者であるという情報がユーリと名乗る人物からあったことを伝えられ、ヘンリーはユーリと会い詳細を聞くことにする。
DIAのジャネット・ラシターが、内情を知るヘンリーを消そうと計画を練るなか、極秘特殊部隊「ジェミニ」の指揮官クレイ・ヴェリスは彼を始末する許可を得ようとするも拒否される。
ヘンリー何者かに襲撃される。
バイクを使った武術を繰り出す襲撃者にヘンリーは苦戦を強いられる。
自分の動きをすべて把握し、神出鬼没な謎の襲撃者の正体は、秘密裏に作られた若い頃のヘンリーのクローンだった。
その衝撃の事実を知ったヘンリーは、アメリカ国防情報局の捜査官ダニーの協力を得ながら、政府を巻き込む巨大な陰謀の渦中へと身を投じていく。
SCREEN ONLINEより抜粋
若き日の僕は100%デジタルなんだ(ウィル・スミス)
「ジェミニマン」は間違いなく映画の世界に一大革命をもたらす作品だ。これまで誰も経験したことのない前人未到の領域への挑戦。このチャレンジに名乗りを上げたのが、製作者ジェリー・ブラッカイマー、アン・リー監督、そして人気俳優ウィル・スミスの3人だ。
──今回新しく使われたテクノロジーについて
アン・リー
『そこはしっかり言っておきたいところだね。これは俳優を若く見せているのではない。CGを使って、何もないところから若いウィル・スミスを作ったんだ』
ウィル・スミス
『今作のすごいところは、若い僕は今の僕の映像を加工したものではないこと。100%デジタルなんだ。「ライオン・キング」のライオンと同じ、完全なCGなんだよ』
これは映画を進化させた革命的な作品だ(ジェリー・ブラッカイマー)
ウィル・スミス
『演技は僕がしている。でも肌はCG。決して僕の肌のシワを伸ばして若く見せているわけじゃないんだ。若いヘンリー、つまりジュニアを演じる時、僕はヘルメットをかぶり、顔の真ん前に小さなカメラがある状況で演技をする。その演技はモーションキャプチャーとして捉えられるんだ』
ジェリー・ブラッカイマー
『役者を若く見せるというのはこれまでにもあった。でもこれは、ウィル・スミスの演技をベースにしたフルCGのキャラクターなんだ。それだけでも大変なのに、アンは24フレームではなく120フレームでそれをやってのけた。ごまかしは一切きかない。これは映画というものを大きく前に押し進めた革命的な作品だ。
この映画は奧で深い物語を語っているんだ(アン・リー)
──この映画は一級のアクション映画であると同時に、人間ドラマとしてもとても深い内容を持っていますね。
アン・リー
『人の心を動かすのは人間の話だ。この映画は表向きは派手なアクションだけど、奧で深い物語を語っている。もし若い自分に会うことが出来たら何て言ってあげるだろう?あるいは年を取った自分に会ったらどう思うのだろう?その答えを僕はウィルに委ねた。僕はこのキャラクターに心から共感した。どんな映画でも、自分の中で〝この気持ち、わかる!〞と感じることが大切なんだ』
ウィル・スミス
『アンはこの映画を通して何を語りたいか、よく話してくれた。でももし僕が二三歳だったら理解できなかったんじゃないかな。僕もいま人生を振り返る時期に来ているからわかるんだと思う。自分がどんな人間で、これまで何をしてきたか、若い日の自分が同じ道をたどろうとしていたら何を言ってあげるのか』
──テクノロジーがさらに進化したら、俳優はいらない時代が来たりしますか?
ウィル・スミス
『それはないと思うね。人間の魂やその美しさは人間でないと表現できないよ』
アン・リー
『僕の答えは簡単さ。CGよりウィル・スミスの方が楽。「あれやって」「次これやって」と言えばいいもの(笑)』
ジェリー・ブラッカイマー
『今回のテクノロジーは、確かにフィルムメーカーの道具箱に加える新しい道具にすぎない。けれどもそれは映画界のレガシーとなるテクノロジーなんだ』