2月27日に路上で気を失って
目が覚めたら3月になっていた1年前。
目覚めるまでの3日間
時間も空間も色も手触りも…五感がないところを
ふわふわと漂っていました。
ごく稀に意識が戻っても目は見えず
手足が拘束されている意味がわからず暴れて
疲れるとまたふわふわの中に戻る。
目が覚めて手足の拘束を解いてもらったけれど
今度はどんなに頼んでも水をもらえずに
喉がカラカラに乾いて声が出なくなり
目だけで看護師さんに水を懇願していました。
やっとのことで大さじ一杯の水をもらうと
勿体無いので口の中で転がしてから
ゆっくりゆっくり飲み下しました。
一般病棟に移してもらったら
何も制限がなく自由で驚いたことも思い出します。
水飲み放題で(普通のことですが)、
売店に行くお金もなければ
ランチルームのお茶をいれるコップも無く、
家族が揃えてくれるまで
洗面所の水を手ですくってがぶ飲みしました。
いま思うと微妙な水ですけれど
しかもまだ味覚障害が治ってなくて
苦く感じていたけれど
水が飲めるのが涙が溢れるほどうれしかったのです。
また行動に制限が無いとは言え、
今度は糖尿病用の食事が辛くて辛くて…
お茶碗の底のご飯粒をガリガリ削って食べました。
とにかく飢えて飢えてトラウマになりました。
一度は深夜に泣いてしまったほどです。
毎度毎度のインスリン注射に慣れたけど
自分でやるのは怖いなと思っていました。
ドクターが飲み薬でなんとかなるように
一生懸命薬を組み合わせてくれたことを
今でも忘れずに感謝しています。
今日はそんな入院生活から解放された記念日です。
病棟を毎日3回30分ずつウォーキングして
日に1度は必ず売店まで出かけていたのに
病院の外に出たらゆっくり歩くのがやっとでした。
退院後ウォーキングに慣れてきて
桜がほころんでいくのが楽しみで楽しみで。
生きてもう一度桜が見られてよかった!と
心から思いました。
清涼飲料水は一切口にせず
料理で使う以外に砂糖は口にせず…
が理想なんですが
ダメです。
お酒は欲しく無くなったけれど
病院で飢えた時の記憶が怖くて
お腹をペコペコの状態にできません。
ま、甘いおやつを食べてしまうんですが。
(だから全然体重が減らない…)
(むしろ退院時より増えてる…)
それでもわたしの膵臓はがんばってくれて
血糖値もHbA1cも正常値になり9ヶ月。
将来的には薬なしでも生きていけそうと
ドクターからは明るい予想を聞いています。
けれどもあの生々しい記憶を忘れずに
絶対に再入院しないぞと思っています。
良く晴れて病院内では見上げられなかった空が
とても青く感じたのが昨日のようです。
白いご飯やリンゴジュースに未練はない。
(寿司だけは許して)
缶チューハイの新作にも心が動きません。
(たまのワインだけ許して)
今日は通院日なんですが
体重が減っていないことだけは
またやんわり注意されるのが
わかっているので心苦しいです。