南スウェーデン便り

ときどき南スウェーデンの真ん中のイナカから、ときどき街からお便りします。

おばけとUFO

2022-09-07 06:02:55 | 街便り

二週間ぶりのイナカ。

もう麦畑の収穫は終わり、一部は耕されていた。

乳牛たちが外にいられるのもあとどのぐらいだろう?

 

そして、二週間畑をほったらかしておくとどうなるかというと…

 

こんなのが五本もとれてしまった…

ズッキーニは大好きだけど、巨大になると大味でちょっと持て余してしまう…それが五本かー

「まるでヘチマか冬瓜だよ~…あっ冬瓜のスープみたいなの作ろうかな」と思いつく。

瓜をくりぬいて、中に干しエビや貝柱などを入れてスープを注いで丸ごと蒸す中華風のもの。でもそんな材料はないから普通の鶏スープでいいか…と思っているうちに、何と、一時帰国した友だちがお土産にくれた日本の貝柱の缶詰があったことを思い出す。ラッキー!!

ズッキーニの両端を切ってくりぬき、貝柱と生姜をいれて鶏ガラスープを注いで蒸す。ズッキーニの中身はもう種が大きくなっていてぎっしり詰まっていたが、食べてみたらまだ柔らかくてポリポリして美味しかったのでそれもスープに入れた。

皮ごと柔らかく蒸しあがったのを崩しながら食べる。

生姜と貝柱の味がズッキーニにしみてとっても美味しい!!

 

おばけズッキーニ加えて、その隣に蒔いたけれど成長の遅かったこちらも収穫できた。

コマのような形をしたズッキーニ。日本ではUFOズッキーニと呼ばれているとか。

食べたこともなく、安売りになっていた種の袋を見て好奇心にかられて買ったのだが、これ、どうやって食べるのかな。

検索すると、これも中身をくりぬいて肉などを詰めるらしい。

…肉はないけど貝柱の残りを入れてグラタンにしよう。ちょうどグラタンに合いそうなおいしいチーズが残っている。

できあがり~

これも、美味しい!!…っていうか、スープもそうだったけどひさびさに食べる貝柱にまず感動しているところが大きい…。

ズッキーニそれ自体の味は日本の栗カボチャの甘みがないものというかんじ。けなしているわけではなくて、水っぽくなくてほくほくしいるところが上等。こちらのかぼちゃ類はあらかた水っぽいものが多いので懐かしい味わい。来年もこの種類を育てようかな。

 


またズッキーニ

2022-08-29 05:05:58 | 街便り

まだまだとれるズッキーニ…

韓国風、インド風と来たので、そろそろヨーロッパ風のレシピを探そう。

街に帰って来たのでオーブン焼きという選択肢が増えた!

ネットでおいしそうなズッキーニのパルメザンチーズ焼きのレシピを見つけたが、ハーブと一緒にパプリカ粉やニンニクの粉をまぶすとある。

「うーん、にんにくの粉ないし、パプリカ粉はイナカに置いてきちゃったよ…」とあきらめかかったが、「そうだっ」

うちにはこういうすぐれものがあった。Vegeta唐辛子味。クロアチアのスープの素のようなもので、ニンニクとパプリカと唐辛子とハーブがブレンドされたもの。まさにこのオーブン焼きに使える!

ズッキーニを拍子木切りのように細く切り、オリーブ油とニンニク粉、パプリカ粉、唐辛子粉、塩、ドライハーブ、(私はvegeta)をまぜたものをからませる。

それから、パルメザンチーズをおろしてどどっとかけ、200度ぐらいのオーブンで15分ぐらい焼く。

チーズが焼けて外側がパリパリするが、ズッキーニはほどよく柔らかく、甘い。スパイスやハーブの香りも効いている💛

おつまみや副菜として最高!これはまた作らなければ!

 

それから、縦半分に切ったズッキーニをくりぬいてチーズとあわせてオーブンで焼くというおしゃれなものもやってみた。

炒めたエシャロットとにんにく、卵、コムテチーズ、ブロッセチーズ、塩こしょうを加えてまぜて詰める。

もうちょっとズッキーニがやわらかくなるまで焼けばよかったかもしれないが、チーズたっぷりのフィリングの詰まったまだ少し残った歯ごたえが楽しめてよかった。

 

使ったチーズは安売りドイツスーパーのLidlで19クローネ(245円ぐらい?)で買ったフランスのチーズbrousse。

プラスチックの籠のようなものに入っていたのでその模様がついている。イタリアのリコッタのようにさっぱりしているけれどクリーミーで、果物と一緒にデザートとして出しても合う。

 


マルモフェスティバルとルピナスバーガー

2022-08-17 19:42:09 | 街便り

街に戻ってきた。

おりしもMalmö市の夏のお祭り「マルモフェスティバル」が三年ぶりに開かれており、全国また外国からも訪問客がどっさり来てにぎわっている。人口がいつもの3倍ぐらいあるような気がする。

お祭りは約一週間続き、連日有名アーティストのコンサートやイベントがある。これらはたいてい無料!

そのほか、子供向けの移動遊園地やゲームもかなり大規模だ。駅に降り立ったとたんに絶叫系の乗り物からの悲鳴が夜遅くまで聞こえてくる。

そして、世界各国の食べ物にありつける屋台街もある。値段は安くないがちょっと珍しいものが食べられる。

ちょっと怪しいけれどひらがなは全部正しく書けていた!

ブダペストから来た家族が「こんなトッピングは初めて見た!」と驚いたスウェーデン風ランゴス

その中で私が気になっていたのはこの店。野草ルピナスの豆から作ったバーガー屋Lupinta

 

ルピナスは夏から秋にかけて原っぱや林の近くによく生えている野の草で、ジギタリスのように群生している。数種類の色が花が咲きなかなかデコラティブだ。

数年前になるが、スウェーデンの食環境を改善しよう!というテーマのテレビシリーズがあり、その中でこのルピナスの豆は処理をすれば食用にすることができると紹介されていた。タンパク質と繊維が豊富なのだという。海藻や昆虫とともに「未来の食べ物」のように持ち上げられていた。その後商品化されて冷凍食品として売り出されたことは聞いていたがいまひとつ話題にならない。

「今度道で見かけたら種をとってこよう。」と思ったのだが、以前この花をよく見かけた林のあたりを見てもみつからない。

「もしかしてみんなが取って食べつくしちゃったの?」と思っていたら、どうやらそうではないことがわかった。

このルピナスという植物はもともとスウェーデンにあった種ではなく、前世紀から増えてきたものらしい。繁殖力が強く、というか強すぎて在来種の植物を絶滅の危機に追いやっている悪玉だからできるだけ繁殖しないように努めるべきだと書いている報告書もあった。だから以前ほど見かけなくなっていたのだ。そんなにアグレッシブな植物だったとは!

へえーっ?

林や原っぱの夏の風物詩だったと自分が思っていたものが迷惑なよそ者だったというわけ? 

最近動植物の「外来種による在来種の駆逐の問題」について見聞きするとき、ちょっと背中がうすら寒くなることがある。というのは私自身がスウェーデンにおける「外来種」だからだ… 

それは置いておいて、それでもこれを食品とするのもダメということはないんじゃないかと会社のホームページをのぞいてみた。すると、この会社が商品化しているルピナスは自生しているものとは違って、ドイツから輸入した特別な種類のものであると書いてあった。それをどこかで栽培して工場で加工しているらしい。

「そこらへんに生えている野草を食べる」という私が抱いたイメージとはかなり違うけれど、とにかくその会社がこのマルモフェスティバルに「ルピナスバーガー」の屋台を出すというので「これは食べてみなくちゃ」と思って買いに行ったという次第。

メニューは三つ。ルピナスをハンバーグ上にしたものをパンにはさんだもの、中華まん風のものにはさんだもの、そして焼きそばにのせたもの。

値段は同じ95kr。私は中華まんサンドを注文した。

この写真ではよくわからないが、豆を煮てちょっとつぶして揚げたような感じ。食感はレンズマメのようでちょっとスパイスが利いていて美味しかった。

かかっているソースはマヨネーズとタイのシラチャーソースが混じったような感じ。

乾いた豆を売っている所もあるそうなので、今度買いに行ってみよう。

それにしても野生のルピナスの花が見られなくなってきたのはちょっと寂しい…。

 


ガーデン・ショウ

2022-06-07 23:19:00 | 街便り

マルモ城の奥にある公園で開催された「マルモガーデン・ショー」を見に行く。



コロナのせいで二年続けて中止になっていたが、今年は再開!

3月1日(正式には4月?)からコロナはただのインフルエンザとして格下げになり、コンサートや各種フェスティバル、スポーツ観戦その他すべて規制が撤廃されてコロナ以前と同じように行われるようになった。(マスクはもともと着用の義務がなかったので関係ない)

おりしもいいお天気でマルモとしてはものすごい人出で賑わっていた。



コンテストに入賞した庭の一部が飾られているコーナー
プロバンス~みたいな感じ





昆虫のお宿つき。廃材などを使ったモダンなお庭



これは子供が作ったお庭。これも蜂がテーマになっている。子供たちは今昆虫が絶滅の危機にあること、そしてそれは生態系のバランスを崩し、人間の食糧にも深刻な影響が出るだろうということを学校で習っている。



この公園にも巨大な昆虫ホテルがある…が、中に虫がいるのを見たことがない。



インスタ等向けコーナーも






工具や樽も売っていた



トレリスを編んでいるところ。



もちろん鉢植えや木の苗もたくさん売られていたが、私はとりたての蜂蜜を味見。おいしい~つい購入



食べ物のスタンドはみんなクラシックなトレイラーやトラックで統一されていてなかなか雰囲気がよかった。オーガニックフライドポテト専門店、餃子、フィッシュアンドチップスなど







この公園(花壇には野菜類も植わっているし、野菜用の温室もある)のカフェのサラダを食べる。

今はまだ畑からのものはあまりないだろうと思ったので、正直に言うと期待していなかったのだが、食べたら予想を裏切る美味しさ!

カリフラワーは生に見えたが甘酢漬けで、カリカリした歯ざわりと適度な酸味と甘さがとてもいいバランス。黒いレンズマメとキノアには薄く塩味がついている。アーティーチョークはここで収穫されたものではないと思うけれどオリーブオイルのいい香り。赤玉ねぎは蒸し焼きにされたような感じで柔らかくて甘みがでていた。