山から下りてきた後は、三俣山を正面に見る露天風呂で、指の皮がフニャフニャにふやける程温泉に浸かった。
あんまり浸かり過ぎて、露天風呂の中に、根を生やしそうだ。
「さー、ボチボチ上がるべ。」
先輩のUさんとはここで別れ、義兄達と私はキャンプ場に向かう。
サイトには、先着組が既に数組いた。
今回の参加は、
古の道を案内してくれた、例の茶畑後輩を含めて、合計で8組の参加となった。
後輩はお茶畑と共に、椎茸栽培もやっていて、自慢の原木椎茸をたくさん持ってきてくれた。
この肉厚の椎茸を見よ。
前にも書いた通り、私はこの肉厚の椎茸が大好きだ。
出来れば来世は、椎茸の揺りかごとして、原木に生まれ変わりたいくらいである。
(椎茸は食わんでいいんかい!)
ちょいと醤油を回しかけて…
コリッコリッのプリップリ。
堪らん!
「先輩、目刺しも載せますよ。」(後輩)
「おう、ジャガジャガ載せろ。」(私)
椎茸が一段落した頃、後輩は新玉ねぎを、焚火の中に直接放り込むと言う暴挙に出た。
「こ、こら。この狼藉者!なんてことする!!」
「いや、これが一番美味しかとですよ。」
「よーく焼いたら、焦げた皮を剥がして・・・」
ガブリ!!
ワイルドなやっちゃなー。
この後、私もガブリとやってみた。
ちょいと醤油をつけて、
ガブリ!!
フム。
焼いた玉葱の甘味と、焼けてない芯の方の辛みとのコンビネーションが絶妙だったと、ここでコッソリ告白しておく。
あいつの前で、うっかりそれを声に出すと、図に乗るからである。
とは言え、
方や義兄のダッジオーブンである。
中を覗くと、同じく、焼き玉葱&焼き芋である。
あっちの方が、同じ玉葱でも、大分洗練されとるぞ。
日が落ちてくると、
このオレンジ色の揺らぎが、何物にも代えがたい最高の癒しを与えてくれる。
8割方は、これをする為に、キャンプしていると言っても、過言ではない。
焚き火の回りに自然と人が集まってくる。
オッサン率が高いように見えるが、気にしてはいけない。
時節を語り、一杯。
昔を懐かしみ、また一杯。
バカ話で盛り上がり、グビグビグビ。
居酒屋で見られる、典型的なオッサン達の飲み会と、いささかも変わりは無い。
これでいいのだ。
夜半、パラリと雨が降ってきた。
程よきところで解散という事で。
翌日も快晴となった。
チェックアウトまでの暫しの間、ゆったりとした時間を楽しもう。