久留米世界ツツジセンターから、浮羽方面へと進路をとる。
道の駅うきはの裏に回り込むように、田舎道を降りて行くと、
十割蕎麦と書かれた看板が見えてくる。
以前から気になっていた蕎麦屋である。
シルエットは、典型的な農家の佇まい。
だが室内は、オールガラス張りの明るい空間となっていた。
窓に目をやると、縁側をキジ鳩が何度も行ったり来たり。
何をどうしたいのか、聞きたいくらいである。
「前菜でございます。」
ははあ、鴨のローストでやんすか。
もし、さっきの文化センターに鴨がいたとしたら、食べるのに躊躇していたところだぜ。
パクパクパク
「天ぷらでございます。」
あら?この赤いのは、苺でございますか。
ふーん。
苺の天ぷらねえ。
「要らんなら、私が貰う。」(家内)
「あー、なにすっだ!要らんやら一言も・・・」(私)
気を取り直して、筍をば。
コリ
うん。
誠に旬の味、春の味である。
続いて海老。
パク
そうこうするうち、
「十割蕎麦の並盛りでございます。」
けしからんことに、私が選んだメニューは、小盛りが標準という、摩訶不思議な設定である。
普通の量を食べたいなら、追加で300円出す必要がある。
300円もあれば、素うどんが食えるじゃないか。
「おのれ、足元を見やがって!」
などと、憤慨してはいけない。
心穏やかに麺汁に薬味を入れたら、にっこりと微笑み一礼しよう。
そして、おもむろに、
プラス300円の並盛りを、ガバッと掬い上げるのだ。
ガバッ
頂きまーす。