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Tシャツとサンダルの候

霧と雨と紅葉と


三俣山の紅葉はどうだろう?

予報に依れば、混雑する土日を除けば、月曜日が晴れとなっている。

よし、月曜登ろう!

博多の義兄も誘い、長者原へGOである。



長者原到着。

「あれ?どこが晴れやねん。」

目標の三俣山は、スッポリと雲に覆われ、全く姿が見えない。



「そのうち晴れてくるやろ。」

何はともあれ出発だ。



鉱山道路をショートカットする頃には、少し晴れ間が見えてきた。




再び鉱山道路に合流。




ガレ場を、ヨッコラショと登り切ると、




すがもり越到着である。

水分補給をしたら、まずは西峰を目指す。



西峰稜線まで登ってきた。




西峰到着。

ここから一旦Ⅳ峰へ登り、本峰、北峰と回り、その後鍋底に降りて昼食。

最後に南峰を経由して、すがもり越に降り、鉱山道路で下山の予定である。






Ⅳ峰到着。

北峰の斜面を見れば、


「色づいてるね。これで陽が差してくれればねえ。」(義兄)



「坊がつる方向は陽が差しとるよ。本峰に行って待機しようか。」(私)

「そうね。」(義兄)



てな訳で本峰である。

思いは皆同じ。

沢山の登山者の視線は、北峰に注がれている。



北峰はまた霧に包まれている。

ただし、動きが速い。

もしかして・・・



ほら、とれた。

と、思ったら、



山の天気は、まことに目まぐるしい。


「あー、またガスってきた。」

「バッテン、何となく明るくなってない?」



お、おお!




「ほーら、ほらほら。」

「日が差したやん。」


とは言えこれは、ほんの数秒間の出来事だった。

以後、二度と天候が回復する事はなかった。



本峰から北峰へ。


「こん坂は、かなり急やんね。慎重に降りてね。」

「ハイ、分った。」


北峰へ続くこの激坂は、かなりやっかいである。

だがしかし、

この難儀な下りも、この後私達を襲う苦難の前には、児戯に思えるものとなる。



激坂を無事に下りて、鞍部までやって来た。




大鍋全景




下ったのなら、登らねばならない。

理の当然である。

北峰へ登り返しだ。



もうすぐ山頂という所で、ふとカメラを見ると、雨粒がついているのに気づく。

小雨に変わってきたようだ。



山頂に到着した頃には、本降りと言っていい雨に。


「何たる事だ!こりゃいかん。鍋底に降りるのは止めて、下山ば急ごう。」(私)

「わかった。」(義兄)


以後、カメラはしまい込み、ポイントだけ撮影する事になる。




さて、

私達を襲う苦難とは、これからすがもり小屋までの長い道のりの事である。

滑るのなんのって。

二人して何度も滑り、いや、ただの滑り方では無い。

『もんどり打って』と言う形容がピッタリの転び方を何度も繰り返す。



小鍋通過。




南峰通過

ここから西峰稜線までが、最大の難関となった。

この間だけで、少なくとも4回はすっころぶ。

どこもかしこも泥だらけである。


すがもり小屋に着いた時には、心底ほっとしたものである。

この足元を見て貰えば、私達の艱難辛苦が分って貰えるのではなかろうか。

やれやれと、小屋のベンチに座り、遅い昼食をとる。

オニギリを頬張りながら、



(山を舐めたらいかん!)



つくづくそう思った。

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