自宅のベランダに出ると、筑紫平野の三方を取り囲む山々を見渡す事ができる。
東側はすぐ目の前に耳納連山。
北には三郡山系に嘉麻三山、遠くは英彦山まで。
そして西には脊振山系と九千部山系である。
中でも九千部山は、距離的には耳納連山に次ぐ近い山なのだ。
なのに、どうしたものか今まで登った事がない。
「九千部山に行ってくる。ジムニー貸してくれ。」(私)
「泥で汚すなよ!」(家内)
「うぐっ。」
このブログを読んで頂いている方々は、既にお分かりと思うが、
密かに、私の山用として位置付けていたジムニーである。
汚すに決まってるではないか。
とは、おくびにも出してはいけない。
「お、おう!解っとる。」
九千部山には、幾つか登山口があるようだが、あの大雨の後である。
登山口までのアクセス道及び、登山道自体にも閉鎖の心配が無さそうな、グリーンピア那珂川登山口を選ぶ。
ここからなら、石谷山への縦走も出来そうだ。
登山道の標識に従って進むと、
いきなりイノシシ除けのフェンスである。
このフェンスを開閉して入山するらしい。
イノシシの件に関しては、後でちょっとした事が起きるが、ここでは先に進めたい。
暫くは無味乾燥なコンクリートの道が続くが、山登り感に程遠いと嘆く必要はない。
すぐに、
ちゃんと山登りらしくなるからだ。
五ヶ山展望台とある。
地図アプリを見ると、ここが五ヶ山頂上となっている。
ちょいと登るか。
なるほど、展望台である。
但し、
360度、寸分も展望できない展望台である。
更に進む。
イノシシの堀跡が酷くなってきた。
稜線が見えてきた。
この先、石谷山分岐に差し掛かる筈だが、
げ、封鎖か。
石谷山への縦走は諦めるしかないようだ。
進路を九千部山方向へとる。
山頂はもうすぐのようだ。
だがしかし、
この後目を疑う光景が・・・
車で来れるやん!
なんてね。
勿論、知っていた。
頂上付近は、各放送局の電波塔が林立する電波塔ベルト地帯となっているのだ。
電波塔群をすり抜けるように進むと、
九千部山頂上である。
当然、展望台に登ってみた。
360度、別の意味で視界ゼロである。
嘆いても仕方がない。
昼にはちょいと早いが、飯にする。
あ、しまった。
カップスターじゃなかったよ。
今回は、乃木坂46のメンバーの励ましは無しか。
何となく残念である。
帰りは違うコースで下山。
この付近に差し掛かった時、
ガサゴソ、ガサガササーーーー!
何者かが大急ぎで、坂の上へ走り去って行く音が。
急いでカメラを向けるも、正体を確認するに至らず。
音の大きさから察するに、多分イノシシではなかろうか。
誰もいない山中で、いきなりの出来事である。
結構肝を冷やした事を白状しておく。
コース自体は、数か所の渡渉ポイントや、ちょっとしたロープ場もあり、往路よりも変化に富んでいて面白い。
落葉樹も多く、紅葉時期は見応えがありそうだ。
この後も沢沿いを辿りながら、グリーンピアの駐車場に1時間程で到着した。
車に乗り込む際に、山靴の泥がジムニーのステップカバーに着いてしまった。
大急ぎで雑巾で拭いた事は、言うまでもない。
なんせジムニーの所有者ときたら、イノシシより凶暴・・・いや何でもない。
帰り、五ケ山ダムに立ち寄る。
ダム中央では下流へと放流がなされていた。
下を覗き込んだ。
目も眩むような高さである。
五ケ山ダム駐車場に隣接して、何故かモンベルショップがある。
こんな山奥にも拘らず、立派な建物である。
広々とした売り場。
こんな場所に来ると、ついつい要らない物を買ってしまうのは何故だろうか。
さてと、
擦りでもしたら、大変である。
運転に気を付けて帰ろっと。