毎年この時期、別名紅葉寺とも呼ばれる、永勝寺に行くのを楽しみにしている。
最近、その永勝寺には、檀家らで作る語り部集団がいる事を知った。
晩秋の土曜日。
この日永勝寺本堂で、語り部達による民話の口演を聞く事が出来ると言う。
行ってみた。
石段を登る。
夫婦杉
本堂前の広場では、本格コーヒー(200円)が楽しめる。
11時の開演まで少し時間があるし、
「コーヒー下さい。」
「はーい。」
コーヒーを飲みながら、どんぐりの話などを、手伝いに来ている檀家さんらと話していると、
一時、何かの病気にかかり、樹勢が衰えていた境内の木々が、
「今年は、久しぶりに良か色づきですよ。後で裏山に登ってみらんですか」
「良かったですね。勿論、そうします。」
時間である。
本堂へ上がるのも、今回が初めてである。
この日の語り部は4人。
それぞれが交代で、二つか三つの民話を話して聞かせる。
久留米地方に伝わる民話を、正しい久留米弁で、時に笑いを誘いながら、身振り手振りを交え、表情豊かに語り聞かせる。
市原悦子もびっくりである。
聞き入ってしまった。
大したもんである。
知っている話もあったが、殆どが初めて聞く昔話ばかりだ。
これからも、これらの久留米民話の数々を、大事に保存していってほしい物である。
一時間の予定が、30分もオーバーする熱演だった。
裏山に登る。
本堂の甍越しに銀杏の黄色がクッキリと。
色鮮やかなオレンジも目に飛び込んでくる。
確かに今年の紅葉は例年以上である。
永勝寺を後にして、櫨並木までは歩いて行く。
櫨並木。
こちらは年々色褪せて来ているように思えてならない。
昔は息を飲むほどに、真っ赤に染まっていたものだが。
去年の実がまだそのまま付いている。
木蝋の需要が無くなり、櫨の実を取る事が無くなったのが、原因とか無いのだろうか?
櫨並木の復活を望みたい。
櫨の紅葉の季節が終われば、久留米に冬がやってくる。