仰烏帽子山登山口へアクセスする林道が、災害復旧工事のため通れない。
五木村役場に見通しを問い合わせてみたら、
「あー、通れませんねえ。見通し?数年かかると思いますよ。」
まことに、残念至極である。
この山のお楽しみは多い。
シモバシラ草が織りなす氷華、山を覆う山芍薬、
そしてそして、春を告げる福寿草の大群落。
いやまて。
まだ手はある。
福寿草なら、岩宇土山中腹の白崩平(しらくえだいら)があるじゃないか。
ただし、
股関節の不安もあるし、夕方5時前には、ちょっとした用事もある。
今回は、どの山の頂上も目指さず、白崩平で引き返す事とした。
先ずは林道を行く。
沢沿いはご多分に漏れず、激しい水害の跡がそこかしこに。
ここなど、林道は完全に消失。
法面に残った石垣の上を行くしかない。
「すっころぶなよ。」(私)
「怖ーい。」(家内)
左側は3~5mの落差があり、落ちればタンコブでは済まないかも。
途中には張り出す木の幹のトラップまで。
ちょっとした痩せ尾根を行くスリルである。
荒れた林道を暫く進むと、本格的な登山道が始まる。
渡渉ポイント。
前回は無かった梯子がある。
ここも水害で、登山道が大きく削られたに違いない。
白崩平手前に差し掛かった。
陽の当たる斜面に散りばめられた、黄金色の宝石。
ワーイ \(^O^)/
この傾斜を登りきると、白崩平である。
鹿避けネットで保護されたエリアが福寿草の群生地。
ロープで縛られた入口を開け、保護区域へと入る。
勿論、開けっぱなしは厳禁だ。
主にこの岩場付近に、福寿草は群生している。
すぐ近くでシャッターを切っている老紳士と、2~3言葉を交わした。
なんと同じ久留米人とのこと。
「これから、久連子岳に行かれますか?」(老紳士)
「いえ、私らはここでUターンのつもりです。」(私)
「久連子岳に洞穴があるでしょうが。」
「はいはい。氷筍が有名かですよね。」
「その氷筍が一杯あったですばい。画像、見ますか。」
「見ます、見ます。」
老紳士は、撮ったばかりの画像を、私に見せてくれた。
そこには、20~30cmの氷筍が、何本もニョキニョキ立っている様が。
3年前、雪の久連子岳と岩宇土山に登った目的の一つは、正にこの氷筍でもあったのだ。
だが残念ながらその時は、思いの他気温が上昇し、氷筍は影も無かった。
「うわー、見たかー。」
この瞬間、来年の目標に、氷筍が加わったのは言うまでも無い。
「よし、決まった!来年、氷筍ば見に行くぞ。」
「ご勝手に。あたしゃ寒かとは好かん。」