「先輩、差し上げるものがあります。」
後輩から電話があった。
後輩が、自分で作った蒸留器で出来た芋焼酎を、私に・・・・
いや、訂正したい。
厳密言えば、自家製であっても酒類を作る事は、酒税法違反になるらしいのだ。
ごほん。
先ず、後輩と呼んだことは忘れて欲しい。
ミスターXと言い換えておく。
次に蒸留器の件だ。
蒸留器を作ること自体は違反ではなかろう。
要するに、ミスターXがしたことは、蒸留器の実験であると言い換える。
その結果出来た液体を、私にくれると言う。
ここでは仮の名を『芋焼酎のような物』とでも呼ぶことにする。
これがミスターXが持ってきてくれた『芋焼酎のような物』だ。
あ、瓶のラベルは関係ないよ。
せっかくだ。
その『芋焼酎のような物』を頂くか。
グビリ
こ、これは!
この『芋焼酎のような物』は、まるっきり上質な『芋焼酎』のようではないか。
よく出来てるなぁ。
心なしか、酔っぱらった気分になってきた。
いやいやいや、そんな馬鹿な。
きっと気のせいだ。
何しろこれは『芋焼酎のような物』なのだ。
グビリ
グビリ
ウイー