10月22日。
昨夜来の篠突く雨。
屋根を打つ激しい雨音に、度々眠りを妨げられる。
少し、キャンピングカーの話をする。
早い話が、トラックシャーシにキャンピングシェルを積み込み、運転席と繋げた物だ。
長らくキャンピングカー業界に携わってきた身であるが、キャブコンの雨音対策に、本気で取り込んだビルダーなど聞いたことが無い。
自分自身が長旅をするようになって、この雨音対策の必要性を強く感じるようになってきた。
業界OBとして、早急の改善策を望みたい。
安らかな眠りを妨げない改善策があるのならば、私なら、100万円でもポンと投げ出すであろう。
・・・嘘だ。
てな事で、本題である。
寝不足で迎えた朝、予報では終日の雨となっている。
旅の前半は、北アルプス周辺をウロウロとする予定ではあるが、こんな日は、その合間に観光もいいだろう。
「白川郷はお前行った事ないじゃろ?あそこなら、傘さしても廻れるし、チョイと行ってみるか。」(私)
「行く。」(家内)
世界遺産白川郷は、2016年に訪ねて以来、2度目である。
終日雨という事で、80kmもすっ飛ばして来た白川郷であったが・・・・
着いた頃には、見事なピーカンである。
雨の「あ」の字も無い。
暑いぐらいだ。
これなら、昨日ここに来て、今日が上高地の方が良かったではないか!
天気予報のバカ!!
何しろ、ピーカンである。
前回の一人旅の時にも立ち寄った、私の母校と同じ名を持つ明善寺。
茅葺屋根ならどこでもそうだが、この囲炉裏で燻された煙が、建物を巡り、防虫防腐の役目を果たしている
しかし、白川郷の合掌造りは、その規模が違う。
この寺の庫裡は、5層4階建てなのだ。
200年間もの煤で、黒光りしている縄紐。
大した年季と感じ入っても、頬擦りなどはしてはいけない。
急勾配の階段を上る。
何層かある屋根裏の床は簀の子で出来ていて、煙を次の階へと上げていく。
マンサクの若木で作られた縄で結われた合掌柱。
屋根裏は、この地域の主な産業である養蚕に充てられた。
この地の蚕は、こんな煙臭い環境で仕事をし続けたのだ。
猫の炬燵らしい。
4階からの眺め。
明善寺庫裡を出る。
腹立たしいほどのピーカンである。
私は何故か、水路が好きである。
宿場町など、古い街並みを走る水路は、大概撮っている。
この水路を、インド系の外国人が、隣でシャッターを切っているのを見た時は、思わず抱きつきたくなったぐらいである。
どこまでも、ピー・・・・
いい加減にやめる。
長瀬家。
加賀藩御典医の家柄である。
正面に見える仏壇は、なんと500年前のものだそうである。
囲炉裏から立ち上る煙が、
各階を巡って行く仕組みも同じである。
ちょいと休憩。
五平餅をパクリ。
うん、
素朴だが、いや、素朴だからこそ美味い。
この木道の先は、
重要文化財和田家である。
代々、この郷の庄屋であったとの由。
コスモス畑越しに合掌屋根をパシャリ。
昼食である。
とろろ陶板焼き定食。
パクリ
うん、まあこんなもんかな。
昼飯の後は腹ごなしに、集落のはずれにある、白川郷を見渡せる城址へ登る。
こうしてみると、合掌造りの里とは言え、その屋根を持つ建物は、数えるほどしかない。
温泉は白川郷の湯 700円 。
宿泊は3夜連続で、宙ドーム・神岡だ。
走行距離158km 累積走行距離1196km
明日は、新穂高駅よりロープウエイで昇り、西穂山荘まで登山である。