10日程前に遡る。
新聞の地方版に、『久留米市の山中で白骨遺体』の見出しがあった。
何々、
《久留米市御井町の山中で、山菜採りに来ていた男性が白骨化した遺体を発見・・・》
ふんふん
山中とは髙良山の事やな。
《現場は久留米森林つつじ公園の東約900mの山中・・・》
だとお!!
その辺りって、ほぼ毎日、歩いたり走ったりしてるとこやん!!
早速、山登りの途中で、森林公園の売店に寄ってみた。
情報収集である。
「おばちゃん、アイスコーヒー頂戴。」
「はーい。」
「あらら、この子猫どうしたとね。」
「野良猫の子供やけどね。親から育児放棄されとったけんね。」
カラスにつつかれない大きさに成長するまで、家に連れて帰っているとの事。
この子猫達の健やかな成長を願いつつ、
「ほら、新聞に載ってた遺体発見って。ズズズ、ゴクリ」
「あー、あれね。この先に漱石の句碑があるやんね。」
「あるある。ズズズーーー」
「あそこげな。」
「やっぱ、あの辺か。そこって、いつも通っとる所やけどなあ。」
傍らで子猫が、段ボール箱から出ようとジタバタしだした。
「あーほらほら。あんた達じっとしとかんね。」
「こらこら。バッテン、一回も屍臭とかしとらんよ。ガリゴリ(氷を砕く音)」
「だって、あーた。句碑の下やもん。ずーーーっと崖下よ。」
「あの崖下!!ヒャー。」
遺体の傍には、野宿した跡もあったと言う。
何故、そんな人も通わぬ崖下で?
死因は?
山菜ならぬ白骨を見つけた男性は、腰を抜かすほど仰天したに違いない。
何れにせよ、人も通わぬ山中に分け入るのは、よした方が良さそうだ。