6月20日
私は大濠公園にいる。
高校の先輩が所属する写真クラブの写真展が、福岡市美術館で開催されているからだ。
会場に入る前に、館内のカフェでチョイと腹ごしらえだ。
大濠ドッグセット1,210円
どこにでもある、何の変哲もないホットドックが、
更に言うなら、店内はセルフサービスなのに。
これを思うと、何時間もかけて仕込んだとんこつラーメンを、一杯5~600円前後で提供し、
尚且つ、テーブルまで運んで来てくれる、久留米ラーメンのオヤジらが浮かばれぬ。
因みに、
5m先にあるテラスのテーブル席で食べれば1,188円となっている。
要するにテイクアウト扱いらしい。
少し暑いのさえ我慢すれば、消費税が減額されると言う訳だ。
私はといえば店内で、栄えある消費税10%のホットドッグにかぶりつく。
まことに目出度い。
腹が満たされたら、写真展会場へ。
どれもこれも素晴らしい作品ばかり。
中でも先輩の作品は、出品のほぼ全てが最優秀賞を受賞。
贔屓目無しに抜きん出ている。
「エッシャン(私のこと)。こん写真は、これと、これと、これが重なった瞬間を切り取ったとよ。」
「ヒャー、ありえん偶然やね。」
「こん写真は、どうやって撮ったと?」
「こいはね。こうして、あーして撮るったい。」
「あー、なるほど!」
写真を見入る私の脳裏には、ホットドッグのモヤモヤなど消えていた。