我が町久留米が、栄えある日本最高気温の栄冠に輝いた日、
私は九重にいた。
九重森林公園スキー場。
先ずは、夏草茂るゲレンデを行く。
猟師岳並びに合頭山のミヤマキリシマが、今回の山の目的である。
今年、大戸越し界隈では、ミヤマキリシマの虫害が酷いと聞く。
遠く離れたここなら、大丈夫だろうとの見通しと、
時期が外れているのは分っちゃいるが、のんびり屋の石楠花の、一つや二つぐらい残っているかも。
そんな淡い期待もある。
はい。
綺麗さっぱり終わりでした。
そんなのんびり屋など、1輪たりとて残っていなかった。
ついでに言うと、大山蓮華もまだまだずっと先である。
原生林の森を抜けると、
すぐに鮮やかなピンクが目に飛び込んできた。
芋虫がいないか凝視するも、見たところ、ここらにはいないようだ。
猟師岳到着。
標識にポンと手を置いたら、山頂はそのまま通過。
ピンクの島々が点在する稜線歩きである。
久住山、中岳、星生山、三俣山。
九重連山の名だたる名峰を横目に、稜線漫歩である。
反対側には涌蓋山の秀麗な姿が。
あの空の真下が山頂だ。
到着。
小さな若木の前にドッカと座り休憩である。
久留米人が日本一の暑さに溶けている頃、私は爽やかな高原の風に吹かれながら、
涌蓋山に向かい、豆大福をガブリ。
うめえやん。
大福を食い終われば、ピストンでスキー場へ引き返す。
スキー場に戻ると、丁度救助訓練が行われていて、
隊員が降下している真っ最中であった。
機体には、「大分県」「とよかぜ」の文字。
大分県防災航空隊である。
先に降下していた遭難者役の隊員を抱きかかえヘリコプターへ。
この訓練が何度も繰り返されていた。
関係機関のこんな日々の努力により、我々の安全が守られている事を肝に銘じなければならぬ。
何て、
殊勝な事を思いながら、ゲレンデでサンドイッチを頬張る私であった。