白壁土蔵の町吉井。
雨の降る中、何故こんな所にいるかというと、
いつもの長尾製麺で、いくつか乾麺を購入するためである。
「おばちゃん。これとこれとこれ頂戴。」
「ありがとうございます。」
それと、
もう一つの目的がある。
「ところで、あの店って美味しい?」
「あー、おいしかですよ。古い店やもんね。」
「これから食べに行きたいけん、ちょっとの間、車を置いてていい?」
「どうぞ、どうぞ。」
長尾製麺所を訪れる際に、いつも横目に見ていた店がこれだ。
その名も南米ペルー軒。
南米だよ、南米。
ペルーだもんね。
名前からして謎しか見当たらないじゃないか。
駐車場が無いので、これまで立ち寄るのを躊躇っていた店である。
今日こそは、その謎を解き明かさねばならぬ。
果たして、
店内には、もの悲しいケーナの音色が流れているのだろうか?
ウエイトレスはインディオの衣装でも着ているのだろうか?
そもそも、ペルー料理とはいったい?
ガラガラガラ
「ごめんくださーい。」
「いらっしゃーい。」
「へ?」
メニューはラーメン、焼きそば、チャンポン・・・
ですと?
ペルー料理とはとても思えぬが。
「何にします?」
「あ、ラーメンと焼きそばを。」
「焼きそばおまちどおさまー。」
家内の注文である。
どうみても純日本風焼きそば、もっと限定するなら日田焼きそばだ。
「ラーメンお待たせしました。」
……トンコツでやんの。
トッピングで薄焼き卵?
見たことも聞いたこともない。
謎は深まるばかりだ。
この薄焼き卵には、
『これがペルーラーメンだ!』
と言う、店主のメッセージが込められているのだろうか?
頂きまーす。
モグモグ
うん。
トンコツラーメンだね。
何で南米ペルー????