1週間ほど前。
何が不満なのか、マウスが言うことを聞かなくなった。
そもそもこのマウス、買った当初からヤンチャだった。
マウスポインターが突然あっちに行ったり、こっちに行ったり。
挙動不審な動きを繰り返すのだ。
それでも私は、いつかは落ち着いてくれるものと信じ、じっと我慢を重ねてきた。
ところが最近、クリックしても知らんぷりをするようになった。
何度叱っても、態度を改めようとしない。
よし、わかった。
そこまでグレたなら、もう仕方ない。
お前は、
お払い箱だ。
速攻で、家電量販店へ。
所詮あのマウスは、あの国生まれである。
はなから育ちが悪かったのだ。
今回は、生産国をよく確かめて・・・
スイス製?
上等じゃないか。
これなら、あんな出来損ないではなかろう。
支払いを済ませ、何となくパソコン売り場でパソコンをいじってると、
「パソコンをお探しで?」
「いや、そうじゃないけど。うちのパソコンがイライラするほど遅くてね。」
「それはお気の毒な事で。」
「んで、新機種がどんな風か見てただけ。」
「何年前のパソコンをお使いで?」
「4年ぐらい前かな。」
「4年前と今じゃ全然違いまさあね。このCPUはRYZEN7と言って、第3世代の・・・」
「ら、雷電?」
「RYZEN」
「霊前?」
「RYZEN」
「一日一善?」
「ライゼン! 旦那、ゼンしか合ってませんぜ。」
「ライゼンね。あと、第3世代ってのは?」
「要するにめっちゃ早いって事でさあ。ほらこう。ほら、ほら、ほーら。」
「ひょー。」
「起動だって、チョチョイのチョイ。」
「うはー、すげえ。」
「因みに展示品なら、この割引価格から更に割引が・・・」
(会話の中身は、一部脚色が含まれます)
《最新機種》と言う言葉に、殊の外弱い私。
それに加え《現品かぎり》と言うイチコロワードが店員から飛び出してきた。
「買った!」
毎度のパターンである。
「何これ?」(家内)
「あれ?何でこんなもの持っとるとやろか?」(私)
最近、私がパソコンに罵詈雑言を浴びせながら使っているのを知っている家内。
こう言う事態もあろうと覚悟はしていたようだ。
諦めたような溜息をついただけである
新旧両パソコン。
右が今度買ったやつだ。
奇しくも同じ富士通で、一回り大きい。
セットアップとデーター移行を済ませたら、
「んじゃ、早速使ってみるか。プチ」
当然ながら、サクサクである。
起動も、チョチョイのチョイだ。
「うひょー、全然違う!」
とは言えである。
そもそも4年前の買い換え時も、それまでのパソコンの遅さに、
「くそったれ!!」
と、癇癪を起こして買い換えている。
そして新しいパソコンを前に、
「うひょー、全然違う!」
同じ言葉を発した気もする。
この先数年後も、同じ事が繰り返される・・・
かも。