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Tシャツとサンダルの候

雪と福寿草の仰烏帽子山へ その壱



冬には、いくつかの目標がある。


完全氷結の御池(ミイケ)と御池(オイケ)に立つ事。

氷瀑の直下に立つ事。

セリバオウレンを見つける事。

仰烏帽子(のけえぼし)山のシモバシラ、同じく福寿草をこの目にする等である。


このうち、御池(ミイケ&オイケ)、セリバオウレン、シモバシラはクリアした。

氷瀑に関しては、凍ってきているとの便りも聞こえてはくるが、これから再び暖かくなりそうだし、この件は半ば諦めかけている。

そう言う訳で、残るは福寿草なのだ。

見頃であるらしい。

先月、仰烏帽子山へシモバシラを見に行った際、二輪だけは確認しているが、その程度では、到底満足できない。



20日木曜日、早朝から五木村へ出発である。



第2登山口が近づくにつれ、アイスバーンが連続してくる。



てなところで、

話は始まったばかりだが、少し横道に逸れる。

家内は何かにつけてジムニーに辛くあたる。


「前のN-BOXちゃんは良かった。室内は広いし、収納は普通車並だし。それに比べてこの・・・」


ジムニーは、未だに継子扱いなのだ。

ところがこの日の赤口号の健気さはどうだ。

アイスバーンなど物ともせずに、林道をグイグイ登って行く。

ハンドルを握りながら、


「見ろ!ジムニー君大活躍の巻じゃろが。こんな芸当N-BOXじゃ、逆立ちしても出来んぞ。今まで散々悪口を言うてきたろうが。赤口号に謝れ。」

「うぐぐ」



閑話休題



本題に戻ろう。

第二登山口に到着したところから始めたい。

準備を済ませ出発だ。



登山口からは、いきなり20~30㎝の積雪だ。




鹿の足跡だろうか。

この他にも2~3種類の動物の足跡が見受けられた。



この日のメンバーは、私と家内の他に、私の同級生の3人である。

予定では、頂上は目指さず、その分、福寿草保護区域に時間を割き、そこからは折り返す事にしている。



前を行く二人連れが、山頂方向から降りてきた人をつかまえ、何やら立ち話をしだした。

福寿草の情報収集なのだろう。

私も話に加わってみた。

すると、この深い雪の為、保護区域で福寿草を見る事は厳しいとの由。


「みんな雪の下ですよ。仏石付近だけ、辛うじて、いくつか顔を出してましたよ。」


二人連れは、その人の言に従い、保護区域は通らずに、仏石方面へ向かうようだ。

仏石手前の急坂に備えてだろう。

アイゼンまで装着している。



前方のピークが福寿草の保護区域である。

私達はと言うと、予定通りこのまま保護区域を目指す。



冬の陽光が燦燦と降り注いでいる。

福寿草は、太陽の光に応じて花を開閉させる。


「さっき降りてきた人が通った時間帯とは(保護区域内の条件が)変わっているかもしれんよ。」(家内)


もっと雪が解けているかもしれないし、開花していれば見過ごしていたものも、見つけ易くなっているかもしれない。


一縷の望みに賭けてみる価値はありそうだ。



保護区域到着。




保護区域は、ロープで区切られ、立ち入りは厳重に禁止されている。




高さを上げるにつれ、斜面はゴロゴロとした岩が多くなる。

同時に、雪解けした部分も目立ち始めてきた。


期待できるかも。



雪解けの水を滴らせる苔の下には・・・・




苔のゆりかごに抱かれた福寿草ちゃんが。



「ワーーーイ、見っけ!」


そこかしこに福寿草の可愛い姿が。



雪を割って顔を覗かせる福寿草。


「可愛か~。」(家内&同級生)


でも、

こんな風に、まとまって咲いている所に限って、遠くにあるんだよねえ。

最大ズームでこれである。

近づきたいのは山々だが、これで我慢するしかない。


と言っても、すぐ目の前に咲いてるお利口さんも沢山いる。

これはかなりの美人さんと見た。


このくらいの大きさだ。



ここから先、

雪の白さと、青い空、黒い岩と福寿草の黄。

4色のコラボを思う存分楽しもう。




続く。

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