そこかしこに、雪を割るように、光沢のある黄色を開かせる福寿草。
あれこれ迷わず、予定通り保護区域を目指したのは、最良の選択だったと言えよう。
「あ、あそこにも!可愛か~。」
家内も同級生もテンション上がりっぱなしである。
三人で賑やかに歩いていると、老夫婦に話しかけられた。
「仰烏帽子の福寿草は初めて?」
「ええ、そのようなもんで。」
御夫婦は数十年来、毎年2月の20日~22日ぐらいには、この山に福寿草を見に来ているとの事。
「本当なら、この斜面一杯に咲いているのにね。こんなに雪が積もるなんて初めてですよ。」
問わず語りに、立ち話をしていると、
「私は79歳。主人は今年で82歳になります。」
「ひょえ~~~!お元気ですねえ。」
仰烏帽子山が好きで、この季節以外にも、年に何度も登っているんだそう。
80歳を超えて尚、私は山に登り続ける事が出来ているのだろうか。
きっとこの雪の下には、身をかがめた沢山の福寿草が埋まっているのだろう。
だが、雪に咲くこのいじらしい姿も、福寿草らしくていいじゃないか。
この光景が、老夫婦の言う、「ここ数十年来無かった」景色なら、寧ろ、これはこれで良かったと思いたい。
とは言え、福寿草が斜面を覆いつくす様も、是非とも見なければなるまい。
山を下りる前から、来年また、この山に登るのが楽しみになってきた。
折り返し地点でコーヒー&おやつタイムだ。
市房山をバックにパクリ。
いと美味し。
帰りの登山道は、雪が解けてジュルジュルである。
滑って転んでお尻が泥んことならないよう、慎重に降りねば。
山から降りたら、お楽しみの温泉だ。
立ち寄ったのは、道の駅子守唄の里五木に併設の五木温泉だ。
さて、
ここで、どうしても書いておきたい事がある。
去年の12月23日、
この道の駅に車中泊した際、残念ながら同温泉は閉館していた。
翌24日、道の駅内にある観光案内所の職員に状況を訊ねてみたところ、原因は落雷によるもので、
「いつ頃再開するのか、見通しも立ってない。」
と私に言った。
これは確かである。
温泉受付で入浴チケットを渡しながら、何気なく、いつ頃営業再開したのか聞いてみた。
なんと、あの職員が私に向かって「見通しも立たない」と告げた翌日の、12月25日に再開の告知をしたというではないか。
当然、私が職員に訊ねた時点では、再開のための準備は全て終わっていた筈だ。
道の駅観光案内所の職員ともあろうものが、併設する温泉館の情報を知らないなんてあり得るのだろうか?
あの職員は何を思い、あの受付に座っていたのだろう。
もしかして、何か悪意でも?
と、毒を吐いてすっきりしたところで、この話は止めておく。
この温泉館に展示されている4000点ものトラクターコレクション。
何故か豚や羊のフィギュア-まで。
コレクションは、プラスティックを中心に、ブリキやアルミ、木製など多岐にわたる。
では、汗も流したし、帰るとするかな。