またしても阿蘇である。
何しろ、またぞろ噴火して、入山禁止と言う事態に陥りかねない。
この山は、登れるうちに登って、登り溜めしておきたい。
仙酔峡からスタート。
今回、
仙酔尾根から高岳、中岳を経て、火口東展望所を周回する予定だ。
仙酔尾根。
別名バカ尾根。
かつての溶岩流の跡をひたすら登る。
鷲ヶ峰を横目に見て、ひたすら登る。
途中、どうも様子がおかしい事に気付く。
遥か上に中間点のコースサインが。
どうやら、いつのまにかコースを外れたようだ。
岩稜を巻く際、尾根へ登り返すポイントを間違えたらしい。
仕方ない。
このガレ場をよじ登るしかないようだ。
やれやれである。
やっとコースに戻ったぜ。
フーー。
中間点を過ぎると、さらに急登が待っている。
岩を掴んで、ひたすら登る。
ロープを掴んで、ひたすら登る。
やがて、
火口稜線が見えてきた。
稜線だ!
やっとバカ尾根から解放されたぜ。
高岳方向から歩いてきた人から、
「高岳火口を周回したいけど、月見小屋分岐はどこか知ってますか?」
と尋ねられた。
「天狗の舞台の先でしょ。でも、この先は立ち入り禁止じゃ?」
「通れるようになってる筈だけどな。」
もしそうなら、行ってみる価値はある。
ロープが張られていた場所まで、私もついて行く事に。
ありゃ、本当だ。
ロープ、外されてるよ。
そんじゃ、予定を変更して、俺もそっちに行こうかな。
天狗の舞台の下を回り込む。
ここで、先程の方は天狗の舞台の上へ、私は月見小屋分岐へと進む。
高岳東峰から、大迫力の根子岳。
月見小屋分岐。
下から登って来る人が見える。
間違いなく、降りられそうだ。
高岳火口底。
切れ落ちた火口縁から南外輪山を望む。
月見小屋。
小屋を覗くと誰もいない。
折角だ。
ここで昼飯にするか。
お湯を注いで待つこと3分。
天麩羅どん兵衛、美味し!
昼食を食べ終わったら、早速高岳頂上へ。
火口周回ルートはショートカットし、この斜面から稜線を目指す。
再び稜線である。
高岳頂上には、数人の人影が見える。
高岳到着。
ザックを降ろして休憩していると、傍で休憩しているご夫婦から、撮影を頼まれた。
「あ、いいですよ。ハイ、ポーズ。」
パシャリ。
「ちゃんと写っているか、確認してください。」
「有難うございます。どちらから登って来られました?」
「仙酔尾根ですけど。」
「これからどちらへ?」
「中岳から火口東を経由して降りる予定ですが。」
「私らもそうですが、いつもより噴煙が多くて。少し躊躇しとります
。」
尾根道の先の尖りが中岳山頂である。
なるほど。
確かに、いつもより噴煙は多そうだ。
砂千里まで棚引いているし、辺りは広範囲に霞んでいる。
今の風向きなら大丈夫だが、風が変われば・・・
「いや、私は行きます。但し、風向きが変わったら、戻って来るかも。」
中岳山頂到着。
風が変わらぬうちに、とっとと降りよう。
中岳からはこの尾根を降り、火口東展望所を経由して降りていく。
あの夫婦はどうしただろうか?
後ろを振り返るも、付いて来ていないようだ。
諦めたかな。
中岳火口。
背後の烏帽子岳と杵島岳の姿が、霞んで見える。
ここから駐車場まではコンクリートの舗装路と変わる。
廃墟となったロープウェイ山上駅。
正面外輪山の向こうには九重連山がどっしりと座っている。
数日前は、あの山々をうろついていたんだよな。
駐車場到着だ。
今回、高岳が周回出来るようになっていたのは収穫である。
ミヤマキリシマの季節が楽しみになってきた。
もっとも、それまで中岳がおとなしくしてくれていたらの話だが。