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Tシャツとサンダルの候

さらば北の大地よ


7月31日

 

この日で北海道を離れる。

謎の青い切符をお巡りさんから「よろしく」と渡されたり、

人生最高の山の景観を目にしながら、一枚の写真も撮れていなかったり、

小さな船が面白いと聞いて選んだ知床遊覧船が、その小ささゆえに、ちょっとの波で欠航になったり、

はたまた、羊蹄山に登ろうか止めようかと、2日間も悩んだり、

思い通りに行かない事も色々とあった旅ではあったが、それでもなお、楽しかった事が圧倒的に多かったのは間違いない。

ずっとワクワクしていたように思う。

ただ最後に、一つだけやり残したことがある。

ジンギスカンを食していないのだ。

札幌市内に入って、ジンギスカンの看板を見つけるや否や、速攻で駐車場に止めた。

注文の品を持ってきたお姉さん。

私が明らかに素人と見えたようで、

 

「あのー、焼き方分かりますか?最初だけ乗せて差し上げましょうか?」

 

無論、否やは無い。

ジンギスカンに関して、嘴の黄色いヒヨッコに過ぎないのだから。

 

「あー、そうね。そんじゃ、そげんしてくれんね。」

だがその前に、野菜のボールの中に、あのおぞましいカボチャ野郎が、凶暴な顔をして乗っかってるではないか。

これを鍋に乗せられたら万事休すだ。

 

「あ、そのカボチャは乗せんでね。出来たら今すぐ、見えないところに持って行って。」

「?? 承知しました。」

 

最後に真ん中に肉を載せて、

 

ジュー

 

「表面が白くなったら頂けます。」

焼けた焼けた。

ご飯に乗っけて、、、頂きまーす。

 

ウフフ

おいしゅうございます。

 

これで、やり残したことは無くなったぜ。

小樽港

新潟行きのフェリーを選んだ理由は、ひとえに、小樽出港が17時、新潟着が朝の9時過ぎという時間にある。

舞鶴~小樽の深夜出港、深夜着は、私の生活習慣には辛すぎるからだ。

さらば北の大地よ。

また来る日まで。

3フロア吹き抜けのエントランスホール。

中々、立派な船である。

とにもかくにも、

 

ゴクリ。

 

おやすみなさーい。

 

走行距離55km 累積走行距離3237km





予告

翌日・・・この旅最強のびっくり事件が起こる。
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