11月3日
九重にいる。
スワロー号でトンズラした先は、涌蓋山の山懐。
泉水グリーンパークである。
合流したのは、私の義兄二人と大学の先輩。
それと先輩の知り合いの5台5人である。
互いの近況を語り合っているうち、そろそろアルコールタイムである。
それぞれの酒を並べ、
鑑賞。
美しい景色である。
中でも特筆すべきは、博多の義兄の余市蒸留所限定酒各種と、
先輩の知り合いの方の、
「20年以上経過しているかも知れません。」
という白波。
七輪で焼いた干物をあてにグビグビ。
さあ、今日から3日3晩。
飲んだくれるぞー！！
の、
つもりだったが。
焚き火もいい頃合いだ。
これをするためにキャンプをしていると言っても過言ではなかろう。
ウエーイ！！
冷えてきた。
足を火にかざして、グビ。
（足が寒いなら、靴下履けよ！）
ここの魅力の一つは、場内に設けられた露天風呂。
酔っ払ってしまう前に、お風呂タイムだ。
暖まるぜ。
快適、快適。
さあ、風呂から上がったら飲み直しだ。
ところがである・・・
風呂上がり。
お腹の調子がどうもおかしい。
何度も何度もトイレへ駆け込まねばならぬ。
長崎の義兄も同じ症状らしい。
するってえと、
何かにあたった？
二人で同じ物を食ったのは・・・
もしかして、七輪で焼いた干物？
症状をどう説明していいものか。
単なる下痢ではない。
ちょっとややこしくて、えーっと・・・
そもそも誰もこんな話、聞きたくはなかろう。
これ以上の詳細は省く。
はてさて、明日はどうなるのやら。
11月4日
朝焼けに染まる涌蓋山。
この日は山登りである。
体調の事もあり、少し不安もある。
とは言え、ちゃんと食欲もある。
何とかなるだろう。
山登りの顛末は、別号で紹介する。
取り敢えず何事もなく、無事に下山した事だけ報告しておく。
その後、
キャンプ場に戻った頃から、今度は胃痛までもが襲ってきた。
18時過ぎ、
「俺、ちょっと横になる。」
横になって暫くは顔をしかめていたが、いつのまにか寝てしまう。
11月5日
前の晩、お腹に一粒のご飯も、一滴の酒も入れずに寝たのがよかったのか。
定期的にトイレに駆け込むものの、胃痛だけは無くなった。
昼ご飯は、長崎の義兄がネットで調べてきたと言う、
「カオマンガイよ。」
「カカカ？」
「タイ料理たい。」
ご飯にネギの青い部分と玉葱、鶏もも肉をぶち込んで、
後は適当に調味料を入れるだけ。
「まあ言うなら、アウトドア料理の手抜き鶏ご飯かな。」
その間、
「水加減はそれでいいと？減らした方がよかとやない？」
「適量ちゃあ、そんくらい？それ、しょっぱくない？」
「火加減は、そろそろ弱火じゃないんですかね？」
普段料理などしない義兄を心配し、外野の声がうるさいの何の。
「湯気が上がってきた。そろそろよかとやない？」
「そうかね。じゃあ開けようか。」
全員注視の中、俄エスニック料理人の手により、重々しく蓋が開けられた。
ジャーーン！
見た目はともかく、香りは文句なしに美味そうだ。
「パクチー（チューブ入り）とレモンば適量かけてみて。」
「適量っちゃあこんくらい？んじゃ、頂きまーす。」
パクリ
ありゃりゃ、豈図らんや。
美味しいやん。
ベリーデリシャス！
水加減も火加減も、調味料の加減も、正解だった事を認めざるを得ないようだ。
この日は午後から別のキャンプ場へ移動。
久住山荘南登山口キャンプ場である。
ここを選んだのは、ひとえにサイトからのロケーション。
扇ヶ鼻から大船まで、くじゅうのきら星が居並ぶ光景は圧巻である。
火ともし頃になると、途端に冷えてくる。
この日も、丸太を放り込んで暖を取る。
あの巨大な丸太も細くなり、3泊目が終わりを告げた。
朝から晩までずっと何かを口にして、チビチビと飲み続ける。
そんな私のキャンプスタイルが、思わぬ体調不良により、ほぼ出来なかった3泊4日。
思えば、なんと健康的なキャンプだったろう。
体調不良こそ、健康の源・・・
あれ？
何か変だな。
