2014年のサプライズ予想―
アップルがソニー買収?
By MATTHEW LYNN
マーケットウォッチ
2013年 12月 27日 20:32 JST
英国のレコード会社、デッカレコードの幹部が
1962年にビートルズと契約するチャンスを断った時、
「ビートルズはショービジネスでは見込みがない。
グループはだめだ。特にギターを弾く4人組は時代遅れだ」と一蹴し、
代わりにブライアン・プール&ザ・トレメローズと契約した。
その後、ビートルズがどうなったかは言うまでもない。
[image]
Getty Images
こうした大失敗は、今後1年に起こる可能性のある出来事を
予測する気を失わせるくらいたくさんある。
それでも、まだ市場に織り込まれていないことについて考えるには、
ひょっとしたら起きるかもしれないサプライに的を絞ると良い。
誰もが予想できる出来事はいくらでもある。
米連邦準備制度理事会(FRB)は量的緩和の縮小を続けるが、
金利はほぼゼロ%に維持するだろう。
イタリア政府は崩壊する見通しで、
フランスは常軌を逸した新たな税を導入しそうだ。
これらはすべて織り込み済みだ。ここでは、
われわれを驚かせるかもしれない出来事をいくつか挙げてみたい。
・石油輸出国機構(OPEC)がビットコイン建てで原油を取引
主要先進国がビットコインを法定通貨として認められるかどうか、
中国がこれを受け入れるかどうか、
大手ネット通販会社が通貨の代わりにビットコインを受け取るかどうかについては、
いろんな憶測が流れている。
だがビットコインの大きな飛躍をもたらすのはOPECとなる可能性が高い。
原油価格は長年、米ドル建てで取引されてきた。
イランやアルジェリア、アンゴラなどOPECの主要加盟国は
米国に対し、かつてほど敵対的ではなくなったものの、
特に友好的でもない。長年、
取引通貨を米ドルから他通貨に変更するよう訴えているが、
代わりの通貨についてまだ合意していない。
ユーロが崩壊し始めるまで、一時、
ユーロが候補となった。しかしビットコインはどうだろう。
これは世界的な通貨で、中央銀行がその価値を損なうこともない。
原油生産が永遠に続くことはないことが
分かっている国々にとっては価値を保存しやすいかもしれない。
ビットコインが米ドルの強力なライバルとしての地位を確立した場合、
イラン当局者の多くが皮肉っぽい笑みを浮かべることだろう。
・ アップルがソニーを買収
1世代前、ソニーは誰もが欲しがる、なくてはならない
クールな電子機器メーカーだった。
成功し続けるにはハードウエアだけでなく、
ソフトウエア分野も支配する必要があると判断し、
自社製品にコンテンツを供給するために、
海外で映画製作会社と音楽会社を買収した。
一方、アップルは資金力のある必須アイテムのメーカーになったが、
イノベーションが乏しくなりつつあり、
同社を再び活気づけてくれるものを求めている。
アップルには「iPad(アイパッド)」や「iPod(アイポッド)」、
そして間もなく発売される腕時計型端末「iWatch」の
すべてに提供するコンテンツが必要であると
ティム・クック最高経営責任者(CEO)が
判断するまでに長くはかからないだろう。
そこで経営不振のソニーを買収しては
どうだろう?それだけでコンテンツ業界の上位に食い込むことができる。
さらに、テレビやゲーム機の作り方についても学べる。
アップルは現金が不足しているわけではない。
ソニーの評価額は180億ドルにすぎず、
それはアップルにとってたいした金額ではない。
・ フランスがシリアに侵攻
フランス経済は深刻な状態に陥っており、
世論調査での大統領の支持率は目も当てられない。
同国には大規模な改革や、自国通貨を自らの管理下に戻すことが必要だが、
まだ誰もユーロに見切りをつけるつもりはない。
そこでフランスは何をするだろう?おそらく、
各国が大きな国内問題から
目をそらす必要がある時に使う常套手段、
つまり戦争を始めることだ。
極めて温厚に見える男性としては、
オランド大統領は非常に好戦的なリーダーに見える。
しかし英国とドイツがプラス成長に転じている中で、
なぜフランス経済が三番底入りしているのか
国民に考えるのを止めさせるためには、
もっと大きな戦争が必要だ。
ではシリアに侵攻するのはどうだろう?
内戦による犠牲者が増えているため、
道徳的信念に基づいた軍事介入と主張するのは難しくない。
他の主要国もフランスが汚れ仕事をしてくれることを喜ぶかもしれない。
・イタリアが債務再編
イタリアはインフレ率が高い国で有名だったが、
11月にはわずか0.6%に低下。
米国や英国、ドイツを下回り、デフレと言える水準に迫っている。
だが、イタリアは公的債務の対国内総生産(GDP)比率が126%と、
世界で最も高い水準にある。
物価下落と膨大な負債は経済学の上では最もひどい組み合わせだ。
世界3位の債券市場を持つイタリアは
年内に債務を再編せざるを得なくなり、
金融システム全体に衝撃を与えるだろう。
・南アフリカが新興市場の危機招く
つい最近まで、南アフリカは「BRICS」の「S」となるはずだった。
しかし、通貨ランドの急落、財政・貿易赤字の拡大、
成長鈍化によって、今はBRICSの一員とはとても言えない。
来年中に格付け会社は南アフリカを格下げし、
外国資本が逃避する恐れがある。そうなれば、
同国は本格的な財政危機に陥りかねない。
それをきっかけに、新興市場は幅広い株価急落に見舞われる可能性がある。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304299204579283933633346114.html?reflink=Goo&gooid=nttrより
アップルがソニー買収?
By MATTHEW LYNN
マーケットウォッチ
2013年 12月 27日 20:32 JST
英国のレコード会社、デッカレコードの幹部が
1962年にビートルズと契約するチャンスを断った時、
「ビートルズはショービジネスでは見込みがない。
グループはだめだ。特にギターを弾く4人組は時代遅れだ」と一蹴し、
代わりにブライアン・プール&ザ・トレメローズと契約した。
その後、ビートルズがどうなったかは言うまでもない。
[image]
Getty Images
こうした大失敗は、今後1年に起こる可能性のある出来事を
予測する気を失わせるくらいたくさんある。
それでも、まだ市場に織り込まれていないことについて考えるには、
ひょっとしたら起きるかもしれないサプライに的を絞ると良い。
誰もが予想できる出来事はいくらでもある。
米連邦準備制度理事会(FRB)は量的緩和の縮小を続けるが、
金利はほぼゼロ%に維持するだろう。
イタリア政府は崩壊する見通しで、
フランスは常軌を逸した新たな税を導入しそうだ。
これらはすべて織り込み済みだ。ここでは、
われわれを驚かせるかもしれない出来事をいくつか挙げてみたい。
・石油輸出国機構(OPEC)がビットコイン建てで原油を取引
主要先進国がビットコインを法定通貨として認められるかどうか、
中国がこれを受け入れるかどうか、
大手ネット通販会社が通貨の代わりにビットコインを受け取るかどうかについては、
いろんな憶測が流れている。
だがビットコインの大きな飛躍をもたらすのはOPECとなる可能性が高い。
原油価格は長年、米ドル建てで取引されてきた。
イランやアルジェリア、アンゴラなどOPECの主要加盟国は
米国に対し、かつてほど敵対的ではなくなったものの、
特に友好的でもない。長年、
取引通貨を米ドルから他通貨に変更するよう訴えているが、
代わりの通貨についてまだ合意していない。
ユーロが崩壊し始めるまで、一時、
ユーロが候補となった。しかしビットコインはどうだろう。
これは世界的な通貨で、中央銀行がその価値を損なうこともない。
原油生産が永遠に続くことはないことが
分かっている国々にとっては価値を保存しやすいかもしれない。
ビットコインが米ドルの強力なライバルとしての地位を確立した場合、
イラン当局者の多くが皮肉っぽい笑みを浮かべることだろう。
・ アップルがソニーを買収
1世代前、ソニーは誰もが欲しがる、なくてはならない
クールな電子機器メーカーだった。
成功し続けるにはハードウエアだけでなく、
ソフトウエア分野も支配する必要があると判断し、
自社製品にコンテンツを供給するために、
海外で映画製作会社と音楽会社を買収した。
一方、アップルは資金力のある必須アイテムのメーカーになったが、
イノベーションが乏しくなりつつあり、
同社を再び活気づけてくれるものを求めている。
アップルには「iPad(アイパッド)」や「iPod(アイポッド)」、
そして間もなく発売される腕時計型端末「iWatch」の
すべてに提供するコンテンツが必要であると
ティム・クック最高経営責任者(CEO)が
判断するまでに長くはかからないだろう。
そこで経営不振のソニーを買収しては
どうだろう?それだけでコンテンツ業界の上位に食い込むことができる。
さらに、テレビやゲーム機の作り方についても学べる。
アップルは現金が不足しているわけではない。
ソニーの評価額は180億ドルにすぎず、
それはアップルにとってたいした金額ではない。
・ フランスがシリアに侵攻
フランス経済は深刻な状態に陥っており、
世論調査での大統領の支持率は目も当てられない。
同国には大規模な改革や、自国通貨を自らの管理下に戻すことが必要だが、
まだ誰もユーロに見切りをつけるつもりはない。
そこでフランスは何をするだろう?おそらく、
各国が大きな国内問題から
目をそらす必要がある時に使う常套手段、
つまり戦争を始めることだ。
極めて温厚に見える男性としては、
オランド大統領は非常に好戦的なリーダーに見える。
しかし英国とドイツがプラス成長に転じている中で、
なぜフランス経済が三番底入りしているのか
国民に考えるのを止めさせるためには、
もっと大きな戦争が必要だ。
ではシリアに侵攻するのはどうだろう?
内戦による犠牲者が増えているため、
道徳的信念に基づいた軍事介入と主張するのは難しくない。
他の主要国もフランスが汚れ仕事をしてくれることを喜ぶかもしれない。
・イタリアが債務再編
イタリアはインフレ率が高い国で有名だったが、
11月にはわずか0.6%に低下。
米国や英国、ドイツを下回り、デフレと言える水準に迫っている。
だが、イタリアは公的債務の対国内総生産(GDP)比率が126%と、
世界で最も高い水準にある。
物価下落と膨大な負債は経済学の上では最もひどい組み合わせだ。
世界3位の債券市場を持つイタリアは
年内に債務を再編せざるを得なくなり、
金融システム全体に衝撃を与えるだろう。
・南アフリカが新興市場の危機招く
つい最近まで、南アフリカは「BRICS」の「S」となるはずだった。
しかし、通貨ランドの急落、財政・貿易赤字の拡大、
成長鈍化によって、今はBRICSの一員とはとても言えない。
来年中に格付け会社は南アフリカを格下げし、
外国資本が逃避する恐れがある。そうなれば、
同国は本格的な財政危機に陥りかねない。
それをきっかけに、新興市場は幅広い株価急落に見舞われる可能性がある。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304299204579283933633346114.html?reflink=Goo&gooid=nttrより