時の栞

何を見て、何を思い、どう表現したのか。
私の欠片であるコトバで綴った、私自身の栞です。

三匹のおっさん * 有川 浩

2009-08-20 13:05:13 | 読了備忘録
地元ゼネコンを定年退職後、系列会社のアミューズメントパーク「エレクトリック・ゾーン」に嘱託として再就職した剣道の達人、清田清一(きよたきよかず)こと「キヨ」、柔道家で“酔いどれ鯨”という居酒屋の元店主、立花重雄(たちばなしげお)こと「シゲ」、無敵のメカマニアで愛娘にはめっぽう弱い工場経営者の有村則夫(ありむらのりお)こと「ノリ」。

『三匹の悪ガキ』と呼ばれていたアラ環の同級生3人が、ジジィ扱いされてたまるか!と私設自警団を結成し町をパトロール。
この地域限定正義の味方にキヨの孫、祐希(ゆうき)と、ノリの娘、早苗もからんで、町内の悪を斬る!ってお話です


有川浩さんの著書は、アニメ化された「図書館戦争」シリーズ、デヴュー作の「塩の街」、「レインツリーの国」、「ラブコメ今昔」を読みましたが、テンポの良い文体が心地よく、軽やかなセリフづかいに込められた優しさが、読み手の心を癒すような作品ばかりで、登場人物それぞれの繊細な心の描写にはうならされました。

その有川さんが“おっさん”の話?と興味が湧き、読んでみたのですが、これがなかなか面白く、“おっさん”がまたカッチョイイんですよねぇ。三人が三人とも。たとえお話の中だとしても。
おっさんかジジィかは年齢じゃなく、どう生きるか、ってことなのかなって思いました。

三匹のおっさんから学び、早苗と出会って、言葉は悪いながらも、優しく、思いやりのある青年に成長してく祐希に、思わずココロ奪われる私なのでした。



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