時の栞

何を見て、何を思い、どう表現したのか。
私の欠片であるコトバで綴った、私自身の栞です。

トイレのポツポツ * 原 宏一

2009-05-18 21:33:44 | 読了備忘録
中堅食品メーカー、鴨之木製麺工業は社長が一代で築き上げ、池袋に本社、埼玉に最先端の無菌工場を持つ会社。
この鴨之木製麺工業の実態が、主人公を変え6つの連作長編で明らかになって行きます。


営業部で派遣社員が電話番をしていると、部長が「何だ、あのトイレのポツポツは!」と怒鳴りながら現れ、その部長から命じられて派遣社員が全部員に送った1通のメールが問題に…。

とまあ、どこの会社にもありそうな話から始まります。


物語は単純なハッピーエンドではなく、むしろ、現実はそんなに甘くはない、が、前向きに考えよう!という方向で、登場人物が複合的な視点で描かれているところも考えさせられます。

この著者の本は読んだ事が無く、タイトルだけで選びました。
単純な面白さの本だろうという想像とは違って、ほのぼのと暖かい気持ちになる本でした。

他にもヘンなタイトルの本があったので読んでみようと思います。


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