河川敷に少しずつ人が見受けられるようになった頃、私は自宅に帰ろうと思った、しかし帰りは電車に乗る気がしなかった。せっかくの晴天である、運動不足解消がてら駅3駅分。約10キロ程度の道のりをユックリ歩いて帰ろうと思った。最初はけっこう距離があると考えていたが、歩き始めると意外とあっという間だつた。
9時手前頃か自宅に着くと家族は私がいない事を心配していた。
50歳手前で心配されるのは、有り難いような情けないような微妙な気持ちになってしまった。
私は緊急事態宣言だからといって、何もしないのは勿体ないと急に思い始めた。
かといって、旅行に行くわけにもいかない。そんな中ふと、父のお墓参りに行こうかと思った。
父は亡くなってから早いもので10年近くがたっていた。
長男は小学生の高学年になった位、長女は、まだ幼稚園位だったかもしれない。
そのため長女は父の事を、どこまで覚えてくれているかは定かではなかった。