タマちゃん大往生

このところ食欲がなくなり　足の力も衰えてきた。体のどこかを支えていなければ
まともに歩けなくなっていた。少し目を離していると転がったままになっていた。
夜は不安そうな顔をしているので、ずっと炬燵で添い寝をしていた。

昨夜は、水もあまり受け付けなくなったので、いよいよお別れが近ずいたと思い
ずっとタマちゃんと語り明かした。

２３年間も我が家の家族でいてくれたこと。ハー子フー子が来た時も嫌な顔もせず、うけいれてくれたこと、ミーちゃんが来た時も、知らんふりをしてくれたこと。病気もせずわがままも言わず　何処にもいかず、ずーっと私を見守ってくれたこと。などなど・・・話すことは数えきれない。

ありがとね！頬を寄せるとゴロゴロと気持ちよさそうに返してくれた。
猫ではあるが人間世界なら大先輩にあたる２３歳。

今日は朝から眠ったままで　時々ウーと声を出しては排尿する。
綺麗好きで恥ずかしがりのたまちゃんには、たまらない屈辱だったろう。
「大丈夫だよ、誰にも言わないからね。」と声をかけながら
始末したが、ついに大便まで出てしまった。来る時が来てしまった・・・。

昼過ぎ夫が「たまちゃんだいじょうぶか？」と声をかけると
むくっと頭をあげて　かすかにニャーと答えたが、それが最後の声だった。

静かに静かに眠りながら、神のもとへと、旅立った。


夜になり子供たちが帰ってくるのを待ち、みんなでお別れをした後　庭に埋めた。
住み慣れた家の庭で静かに眠り、また私たちのもとに生まれ変わってきてほしい。

たまちゃんありがとう！そしてさようなら。

零式の新曲ＮＯＲOを聴きながら息を引き取った　たまちゃんは
春の木漏れ日の中で虹の彼方に旅立った・・・・


悲しくなんかないよ
さびしくなんかないよ
春の木漏れ日と
君は消えていった

ほら見てごらん
綺麗なにじだね

ありがとうさようなら
ここには何もなくて
言葉はより遠く
やけにこの空碧く

ほら来てごらんよ
未来はそこにあるよ
今なら間に合うよ
もう戻ることはないよ
あの雲の向こうへ

ほら来てごらんよ
未来はそこにあるよ
今なら間に合うよ
雨に紛れて泣いたあの日を
静かに静かに　歩き始めた
この痛み抱いて

あの雲の向こうへ・・・