上記タイトルで・・・
我が店の”独演会”に3度も来て頂いている
鈴々舎馬桜師匠が次のようなブログを書いておられたので…
山田五十鈴さんを悼む 投稿者:ばおりん
ひょんなご縁があって山田五十鈴さんに「かっぽれ」を教えた事が御座います。
まだ 二つ目の頃 日比谷・芸術座で榎本滋民作「たぬき」を公演してる時
この公演の一日の休演日に、出演者だけで寄席公演を開催する事が決まり 大喜利に「かっぽれ」を踊る事が決まりました。
亡くなった志ん朝師匠から直に電話を頂き
上記の様なことを聞いて、稽古の為・・・芸術座の稽古場に赴きました。
行くと、志ん朝師のマネジャーの前島氏がエレベターまで迎えに来て下さって、
お稽古場には東宝のお偉いさんがスーツにネクタイ姿で並んでました。
うん? なんか変だなぁ~!
と思いつつ稽古場に入り、稽古着の浴衣に着替えてたら・・・。
山田五十鈴先生が、こちらに来て丁寧に挨拶されました。
「師匠 今日は宜しくお願い致します!」
えぇ!!
志ん朝師からは「たぬきの出演者の若手にかっぽれを教えて欲しい!」 …って言われてましたから驚きました!
まして、まだ二つ目ですから ”師匠”なんて呼ばれた事がありません。
目の前に、橘家橘之助(その時の山田先生の役名)師匠が 丁寧に頭を下げているので・感動ものでした!
ピンかっぽれが山田五十鈴さん
相惚れが、村田正雄さんと香川桂子さん
これに聡踊りで、猫八先生と志ん朝師が加わると云うメンバーでした。
下座は東宝の役者さん達が三味線と唄を担当して 太鼓が駒八(現・吉原朝馬師)兄さんが叩きました。
山田先生が、片足で回るところが膝が悪いので なんとか振りを変えて欲しいんです・・・。
えぇ?? 私は落語家ですし、踊りは素人ですから・・・ でも 昔 誰かが「フラメンコの形」で回った事がある。
と云うのを思いだして、そのアイデアを出したら・・・。
上手いんだぁ!! これが 。
目の前で見事なカルメンが登場しました。
やはり 大女優さんの「芸の引き出し」には 沢山のものが詰まっているのが良く解りました。
後日 志ん朝師匠にお会いした時
「なぜ 山田先生に教える って言って下さらなかったのですか?」
と、お尋ねしましたら。
志 「お前 そういったら断っただろ!」
私 「はい 恐れ多い事でお断り致しました」
志 「なぁ だから言わなかったんだよ!」
納得しました。・・・が 今になれば良い思い出です。
改めてご冥福をお祈り致します。
以上…ですが、もっと多くの方に読んで欲しいと思い転載させてもらいました。
大女優さん、名男優さんの演技が見られなくなるのは淋しい事ですね。