一度、通り過ぎてUタ-ンした。
集落に置かれるシーサー(石獅子)は、ムラの守り神として、外から入ってくる様々な邪気をはね返すために据えられ、その災厄をもたらすとされる対象【山丘や森、ガマ(洞窟)など】に向け立てられていることが多い。字真玉橋には、2体のシーサーが集落内の別々の場所に置かれている。
このシーサーは、地元では「イリヌシーサー」と呼ばれ、集落西側に位置し、かつては漫湖に浮かんでいたガーナー森に向けて立てられたのだという。 昔、ガーナー森は大きな魔物で、真玉橋の人々を食べようと夜な夜な襲ってきた。村人が困っていたところ、天から3つの大きな石が降ってきて、魔物の尻尾を押え付けたため、魔物はそのまま動けなくなり湖面に浮かぶ小島・ガーナー森になったという。村人たちは神の加護に感謝し、以後ガーナー森が襲いかかってこないよう、シーサーを置いたと伝えられている。
イリヌシーサーは、戦前までイリグムイ(用水池)の傍に置かれていたが、戦後は位置の変遷があり、現在は国道329号那覇東バイパス脇の道路沿いに据えられている。ガーナー森はすっかり陸地になってしまったが、イリヌシーサーは今でも西の方角の魔除けとして集落を守っている。
現在、字真玉橋では「シーシウガミ」と称して旧8月15日にはアガリ、イリの両シーサーに果物や饅頭を供え地域の災いを防ぎ住民の健康祈願を行っている。