


自宅から徒歩で行けます。
戦前の沖縄には、軌間762mmの県営軽便鉄道が走っていた。起点の那覇駅は、現在の那覇バスターミナルの場所にあり、与那原線(1914年開業、9.4km)、嘉手納線(1922年、22.4km)、糸満線(1923、15.0km)及び那覇港までの貨物線1.0kmを加え、合計47.8kmを擁していたが、沖縄戦で全て壊滅し、復活することはなかった。戦災で破壊された鉄道が全く再建されなかったのは沖縄だけではないか。
国道330号のひめゆり通り(古波蔵~安里)とその北の那覇市内部分は、嘉手納線の軌道跡地を拡幅して造られたものである。ゆいレール・安里駅の南200mほどのところに安里川が流れており、国道330号に「姫百合橋」が架かっている。大正末期、嘉手納線の橋はあったが、歩行者用には、歩くと揺れるような仮通路橋しかなく、ある荒天の日にここを渡ろうとした高女の生徒が転落死した。 これを受けて、ここに木の橋が架けられ、昭和に入り、「姫百合橋」と称し、それが「ひめゆり」の起源となったという。軽便鉄道については、県立博物館に展示コーナーが設けられている。なお、嘉手納線の線路跡が、浦添市のパイプライン通り(県道251号)沿い、県立特別支援学校の前に残されている。