みりんの徒然声

日々、感じたことを日記や詩でお届けします

雪音の徒然声 消えないものその1

2014-09-30 21:01:42 | 日記
あの人があたしを、ゆき、と呼んだとき、あたしはすべて許されたと思った。
今までの嫌なこと汚いこと、全て浄化されたと
思った。あたしの住んでいる辺りではあまり雪は降らない。
だけどあのとき、確かにあたしの目の前には
真っ白な雪原が広がった。
ふわふわ舞い上がる雪はまるで天使の羽のように柔らかであたしの背中には小さな小さな架空の天使の翼が生えた。今度こそ今度こそは無くさないように、真綿でくるむように大切にしようと心に誓った。

今でも瞳を閉じれば思い出す風景がある。
凍えてその部屋に入ると天国みたいに暖かい。
大きすぎるTV、柔らかなベットにソファー、その横にはやはり大きすぎる空気清浄器。
そこでだけタバコを吸っていいという変なルール。ソファーとコタツの隙間に入り込んで眠る。丸くなって安心しきった猫のように眠る、眠る。

続く~。

雪音の徒然声

2014-09-29 21:52:25 | 日記
皆様こんばんわ。棚卸しでふはーです。
最近は閲覧者の方も増えて嬉しいかぎりです。
ところで、皆様には夢、ってありましたか?
雪音は小さい頃からずっと物書きになりたかったです。大学も文学科に行きました。が、忙しさと生活に追われ、就職も文学とは全く関係なく、いつか、いつか、と思いながらだらだらと今まで過ごしてしまいました。
今日出来ないことは、明日も出来ない。
でも今やろうとしたことはきっと出来るようになる。受け売りですが、その言葉を胸に、ブログをまず始めてみたのです。
雪音の書くお話にテーマなどなく、ジャンルもよく分からず自己満足の言葉たちですが、お暇なときはお付きあい下さい。
夢は、眠るときに見るもの、だけでは寂しいと思い始めた今日この頃。悩み多きあなたにつたない言葉が届きますように。

雪音の徒然声 添い寝屋スカルラスト

2014-09-28 20:01:16 | 日記
あたしは、スカルが何処にも行かないように、しっかりその手首を握っている。
だけど、目覚めるともうそこにスカルはいない。あたしは夢か現実か分からずしばし困惑してしまう。鏡を見れば浮腫んだあたしの顔だけが本当・・・。
がっかりしながら、武装するがごとく、念入りに化粧をし、あたしの一日が始まる。
スカルは真っ白で本当に綺麗だ。
でも毎晩は来てくれない。
もはや、あたしはスカルを毎晩心待ちにしている。いっそ、あたしをスカルにして同じ世界に連れて行ってくれないかと願って止まない。
大好きなスカル。今日は来てくれるの?

終わり

雪音の徒然声 添い寝屋スカルその2

2014-09-27 23:00:55 | 日記
その細さ、体温のない冷たさは、あたしのぶよぶよの脂肪と、自己満足の為だけに付けた傷だらけの体をうんざりさせる。

あたしはスカルの前ではよく泣く。
嫌なこと、今日の出来事、過去の事、スカルには何でも話せる。
そうしていると、スカルが震えているのが伝わってくる。唇のない歯がカタカタ音を立てて、あたしはスカルが一緒に泣いてくれているのだと気がつく。あたしのバカな話に付き合って泣いてくれるのは、スカルだけだ。
泣き疲れて眠りにつくまでスカルは、その冷たい指であたしの髪をなぜてくれる。

続く~。

雪音の徒然声 添い寝屋スカルその1

2014-09-26 21:17:28 | 日記
お酒を呑んでも、睡眠薬を飲んでも寝付けない夜、空は白ばみ始めて、タバコの煙が細く青く揺れる頃それは静かにやって来る。

あたしは密かにそれを添い寝屋スカルと呼んでいる。外見はその名の通り、学校の理科室にあるような、ガイコツだ。
黒い布を纏ってはいるが、肉片ひとつ、髪の毛一本生えていないので、それが、彼なのか彼女なのか、何歳なのか全く分からない。

一度名前を聞いてみたことがあるが、答えるはずもない。なにしろ、舌がないのだから。
スカルの目は空洞だ。あたしはそれをじっと眺める。吸い込まれそうな闇。
だけど、それはあたしをひどく安心させる。

スカルは真っ白でとても綺麗だ。当たり前だが余計なものはいっさいついていない。
台所や床の上、コタツどこでも倒れこむあたしをスカルは布団に促す。あたしはスカルの手首に触れる

続く~