五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

昭和十八年の春休みの阿蘇道場行・・陸軍記念日とは

2013-01-26 04:59:58 | 五高の歴史

 もうしばらく阿蘇道場行の日誌が残っているのでおつきあいお願いし、此処では昭和十八年の春休みの五高生の阿蘇道場の合宿研修の様子を掲載する。三月十日が陸軍記念日とある。軍事思想華やかな頃の話であるので当たり前のことであろうが・・・陸軍記念日とは如何と大辞林を参考に掲げた

三月八日   月曜日  晴後曇 大詔奉戴日
四時来場、直ちに掃除、時雨模様の為、国旗掲揚せず。七時理二甲一龍君来場、十時より坐禅、就寝。

三月九日   火曜日  雪後晴
起床六時二十分、直ちに掃除を始む、所要時間一時間、背に汗を感ず。国旗掲揚するも雪の為間も無く降す。朝の行事を終った頃より雪降り出し午前中読書す。正午騎道部、井手、工藤始め五君、受験生四名を伴い来場する。番人の承諾に依り宿泊を許可す。道場見学の為伴い来たりし由、見学後町の旅館に泊める積りなりと、一時よりガラス拭き、三時終了、掃除、風呂、五時半より三十分座禅、十時就寝。気温下がる。

三月十日  陸軍記念日  快晴
起床六時、近来に無い快晴なり、掃除、参拝、国旗掲揚、座禅、朝食、八時より全員登山す。噴火口着十二時半、帰途町営温泉に入り五時半帰着す、途中坊中にて佐藤、北野両君帰郷す。五時半より直ちに掃除、夕食九時より座禅、十時就寝、

 1944年の陸軍記念日式典陸軍記念日は、大日本帝国陸軍の場合、戦前・戦中の休日のことで3月10日である。1905年3月10日、日露戦争の奉天大会戦で日本軍が勝利し、奉天(現在の瀋陽)を占領し、奉天城に入場したのがこの日であった。これを記念して翌1906年から休日としたもの。1945年の敗戦(第二次世界大戦)に伴い廃止された

三月十一日  水曜日  快晴
起床六時、掃除、参拝、国旗掲揚、座禅、朝食、朝食、九時より作業(根堀り)十一時半終了、二人居残って鶏を料理して晝は鋤焼の御馳走。掃除して午後一時岡君、騎道部員全員熊本に向う、五時より掃除、夕食七時、九時半より座禅。十時十分就寝、

三月十二日  木曜日  晴
起床六時半、掃除、参拝、坐禅、朝食、九時より根堀り作業、十一時終了、中食を済まして帰途につく。