早朝、蝉時雨で目を覚ます。
午前10時半から午後3時にかけてママチャリで静岡の町を走り回った。
研屋町、葵町、浅間町、七間町、両替町、呉服町、駒形通り、新通り、本通り…
8月の炎天下、いつも車で来ていた町の裏通りの一通をわざと選んで走る。
子供の頃、お茶を蒸す匂いが大嫌いで息を止めて通ったお茶工場街の真ん中をわざと選んで走る。
あんなに嫌いだった匂いがちっとも嫌じゃなくなっている。
水出し焙じ茶、美味しそう。
山葵漬けの野桜本舗の前を通り、その先を右に行けば安倍川餅のせきべ屋だ。
用事を済まし、夕食の買い物を終え安倍川沿いの坂道をママチャリでエッチラオッチラ。
この景色いつまで見られるんだろう、とふと思う。
父と母が居なくなったらもう静岡は故郷ではなくなる。
今日から明後日までの予定で実家に来ている。
今回の目的は、人工呼吸器をつけた母の夜間の様子を見る事と
今回の目的は、人工呼吸器をつけた母の夜間の様子を見る事と
、父キンがちゃんと母をサポート出来るか見届ける事。
父は相変わらずの「ジコチュウ」で、自分では愛情込めて最高の介護をやってるつもりらしい。
母はと言えば、「キンちゃんが荒っぽくて困る」とため息。
「何かお困りのことは?」と言う訪問看護のナースの問いに
「夫に困ってます!」と答えているそうだ。
午後10時に母が酸素チューブから人工呼吸器のマスクに交換する様子を見たが、
父は相変わらずの「ジコチュウ」で、自分では愛情込めて最高の介護をやってるつもりらしい。
母はと言えば、「キンちゃんが荒っぽくて困る」とため息。
「何かお困りのことは?」と言う訪問看護のナースの問いに
「夫に困ってます!」と答えているそうだ。
午後10時に母が酸素チューブから人工呼吸器のマスクに交換する様子を見たが、
母の指先は相変わらず上手く動かず、マスクの止め金もはめられない。
父のサポートは確かに荒々しくてハラハラする。
マスクをつけて喋れない母がベッドの柵を叩いて合図しているのにも気付かないでその場から離れてしまった。
母が寝たあと父に、
父のサポートは確かに荒々しくてハラハラする。
マスクをつけて喋れない母がベッドの柵を叩いて合図しているのにも気付かないでその場から離れてしまった。
母が寝たあと父に、
「声を出して合図ができなくなるから、もしもの時の為に何か音の出る、例えば鈴みたいなモノがあった方がいいかなあ」
と言ったら、それが逆鱗に触れたようでエラクお冠。
「今までずっとうまくやって来てるんだから必要無い!」
後はお話にならない言いぐさが続く。
「今までずっとうまくやって来てるんだから必要無い!」
後はお話にならない言いぐさが続く。
母の事を相談しているのに、自分がいかに献身的にやっているかしか言わない。
ずっと、って言ってもまだ2週間だし…
うまく、と思っているのは本人だけで、
ずっと、って言ってもまだ2週間だし…
うまく、と思っているのは本人だけで、
ケアマネさんからこの間何度も相談の電話が来て何とか乗りきってきたわけで…
それにこれから悪くなることはあっても良くなることは残念ながらないし。
もしマスクを付けているのが自分だったら…ナースコールみたいなものがあったら安心だと思うのだけど。
まっ、逆ギレしてる父キンに何を言っても無駄だから、せめて怒らないでいるために、
それにこれから悪くなることはあっても良くなることは残念ながらないし。
もしマスクを付けているのが自分だったら…ナースコールみたいなものがあったら安心だと思うのだけど。
まっ、逆ギレしてる父キンに何を言っても無駄だから、せめて怒らないでいるために、
可哀想な“アルツハイマー惚け老人”と思うしかないのだけど、どうしてもそう思えないから困った。
身勝手で横暴なくせに外面の良さは天下一品の父親をずっと嫌いだった事を思い出してしまう。
佐野洋子さんの「シズコさん」を読んでも、私は「キンタさん」を許せないかも。
今だって母のベッドの下に寝転んで
佐野洋子さんの「シズコさん」を読んでも、私は「キンタさん」を許せないかも。
今だって母のベッドの下に寝転んで
「おばあちゃんがもし先に死んじゃったら絶対アンタと縁切ってやる」と鼻息荒く誓ってるのだ。
あっ!話が暗い?