ガサツなひと

ジムの化粧室にガサツな人が入ってきた

ガサツな人は足音もデカい

広い化粧室には殆ど人が居ないのに

その人は何故か私の隣にドスンッと座った

椅子をガガガッと引いて

化粧ポーチをバンッ！とカウンターに置いて

髪を乾かす前から備え付けのドライヤーのスイッチを入れ

自分のポーチからもカール専用ドライヤーを取り出し

髪は乾かさずそのまま顔の手入れを始めた

ガサツな人は化粧水をつける時もパシッパシッと大きい音を立てる

乳液をつけるときはゴシゴシと力強く手のひらですりこんでいる

殆どの人は服を着替えてから化粧室にくるが

ガサツな人はパンティとキャミソールだけで来た

ガサツだけど彼女の下着は光沢のあるシルバーグレーに

お洒落な黒いレースがついててとてもセクシーだ

適当に髪を乾かしただけで私は化粧室をあとにしたのだが

椅子をカウンターに戻すとき彼女の指先の綺麗なネイルが見えた

もうそんなに若くはない人だけど

その人は何だか恋してる人に思えた

ガサツな人はどんな恋をするのだろう？

恋人と食事をするときは音をたてたりしないのかな

ガサツな人の声はどんなだろう？

甘い声で囁いたりするのかな

どうでもいいことなのになんだか気になって

その人の見事なまでのガサツっぷりには全然やっきりしなかった

 

 

 

 

 

 

引越し協騒曲

10日前に娘が愛犬パセリを連れ
我が家に引っ越してきた
「出戻ってきた」とも言うのかな？
仕事の都合で夜勤が増え
犬が可哀想だから、というのが
戻ってきた理由

ところが娘の部屋はすでに
私たちの書斎として
本棚３つ、電子ピアノ、机、ベッドを
入れて使ってしまっていたから
元通りに片付けるためには
もうそれは大変な騒ぎだった…

この1ヶ月間は言ってみれば
『断捨離の日々』(笑)

捨てて捨てて捨てまくる
特に本
これだけは捨てられないと思っていたが
両親の介護を終えた後では
価値観が大きく変わっていた

本を手離す基準は
「本屋に行けばある」
「図書館に行けばある」

残す基準は
「国会図書館に行かなきゃない」
「すごーく好き」
「とにかく必要」

ガリバン刷りの昔の台本も捨てた
サークルで教えていたころに作った
10年分の資料も教材も捨てた
昔もらったラブレターも
10代の頃の日記帳も捨てた
(とってあったのが不思議)

懐かしいだけの昔の物は全部捨てた

必要ならまた新しく作ればいいのだ

残された人生は長くないのだから
昔を思い出したり懐かしんでる暇はないのだ


そんなわけでこのひと月というもの
来る日も来る日も片付けをしている

今日はベランダの片付け、整理
我が家の古くなった物入れは捨て
娘が持ってきた新しい収納BOXと入れ替えた

娘とオトーは娘の住んでたマンションの
最終チェックに出掛けたから
一人で頑張って今ようやく終了

さて午後は…
居間のデスクの引出しを２つだけ整理しよう！

娘が戻ってきて10日
いつもの暮らしにはまだ戻っていないが
花たちはそんなことにお構いなし

東側のアルペンブルー

西向きの地植えのアルペンブルーは
ようやく咲きだしたところ

猫たちもいつもの生活が戻ってきたかな

最初の日はパニックを起こして大変だったポン婆ちゃん♪

パセリの居ないうちに娘の部屋を探検するファド

パセリがキュンキュン鳴いても知らんぷりの桂さん

ぁぁ～カーテンを夏用に替えなきゃ！
すっかり忘れてたよ


暑くなる前に家中スッキリさせたいな