パネルディスカッションでモデレータをやられる方に、少しでも役に立てば!
なおこの記事は、全体の進行・構成といった『戦略』論ではなく、トーク中という局面における『戦術』にいて論じています。
トーク番組を見ると司会の仕切りばかり気にしてしまう
ありがたいことに、ビジネス系イベントのパネルディスカッションでモデレータを拝命することが割とあります。
登壇者の魅力を最大限引き出せるよう頑張ってるんですが、なかなか簡単ではないんですよね。毎回、反省点ばかり出てきます。
そのせいか、テレビでトーク番組を見ると、いつもゲストではなく司会者ばかり見てしまうんですよね。ゲストの面白い話を引っぱり出すテクニックで、何か盗めるところはないかなって。
素人女子のトークをあれだけ面白く料理するって半端ない
20代だともしかしたら分からないかもしれないけど、昔『恋のから騒ぎ』って番組あったじゃないですか。
基本的に喋っているのは芸能人でも何でもない女の子で (オーディション経ているとはいえ)、喋りの特別な訓練をしているわけではない人たちなわけですよ。
その人たちの喋りを (編集されているとはいえ) あれだけ面白くするのは、司会者・明石家さんまさんの『引き出すテクニック』がすごいからだと思うんですよね。
で、どうやってるんだろう...と観察を続けた結果、ひとつの『型』のようなものが見えてきました。たまに真似してみるんですが、わりと高い確率で盛り上がりを再現できているような気がします。
繰り返し「おんおん、彼氏と別れたんや」
まずはこれ。相手が言ったことを繰り返す。ちょっと長い文章だった場合、要点のみに絞って繰り返していることも多いです。
聞いてる人にとって要点やキーワードが自然と整理されるというメリットと、話している人にとっても「ちゃんと聞いてもらえてる」という安心感を醸成できていると思われます。
どうでもいいですが、「うんうん」と「おんおん」の中間みたいな相槌、テキストで表現するの難しいですね
促し「ほんでほんで?」
繰り返しのあとに来ることが多いです。もっと話してよ、と相手を促す行為ですね。
よっぽど登壇に慣れてる人は別ですけど、そうでない人は「自分、このまま話してて大丈夫かな」「つまらないって思われてないかな」って不安な気持ちを多少抱えていると思うんですよね。
なので「今あなたが喋るターンですよ、もっと話していいんですよ」って後ろ盾をもらえると、安心して話すことが出来ます。
もっと言うと、おそらく明石家さんまさんは「この話は膨らませると面白い」と判断したときに、この『促し』を発動させているんじゃないかと思います。頭の中を覗けないので、検証できませんが。
「ほんで」と「そんで」を足して2で割ったような相槌
要約し「要するに二股かけてた相手に自分も二股かけられてたってことか!」
これ、明石家さんまさんの頭の回転の速さが現れていて面白いです。
元々のゲストの話が分かりやすかったかどうかに関わらず、大事なポイントをギュッと要約してリピート。これだけで、聞いてる人の頭の中に『何の話を聞いたのか』がしっかりと残ります。
ただ、やってみると分かると思いますが、これライブでやるのめちゃ難しいんですよね。ポイントだけに絞って、くどくならず、短くまとめるのって超ムズイ。
笑う「ヒャーwww」
リアクションが大きい。どんな時もよく笑う。これがあることで、ゲストは自信を持って喋ることが出来ます。
加えて、オーディエンスを誘導することも出来ます。壇上で誰も笑っていないセッションで、観てるあなたは笑えますか?自分ひとりだけ笑ってる、って気まずい状況になるかもしれないのに?
モデレータが笑うことで、他の登壇者や、オーディエンスは「今、笑うとこなんだ」ってのが分かります。そこで初めて人は笑ってくれます。
ちなみにその応用テクとして、セッションの最後に「今日のパネルは面白かった!」「勉強になった!」と司会者が言って終わると、聴いてた人も『今日のは良かったな』と思ってくれる気がします。
NPSとかアンケートとってる場合は結果に出るんじゃないですかね。検証したことないから知らんけど。ヒャーwww
以上です
皆さんは、モデレータとしてでもスピーカーとしてでも、参考にしている人はいますか?もしいたら理由とともに教えてもらえると嬉しいです!ともに喋り芸を磨きましょう。