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「夜の街」と呼ばれて ホストクラブ経営者の思い 新宿・歌舞伎町 手塚マキさんインタビュー

2020-08-03 12:59:12 | 日記

ホストたちが「夜の街」としてたたかれる様を見ることで、他の業種でも感染を言い出せない空気が生まれていると思います。感染経路不明者が増えることは、感染防止にとって最も致命的です。  ―「夜の街」と言われていることに、どう感じているのでしょうか。  同業者はみんな、ひとくくりにされてしまうことでお客さんが減るなど商売にどう影響するかを気にしています。差別といった人権的な問題は、さほど気にしていないと思いますよ。もともとどこかで差別された経験のある人が、歌舞伎町という偏見をもたれがちな場所にいるという感覚です。社会からドロップアウトした人間たちだから、差別されることには慣れているんです。  ―社会から排除されてきた人たちが、今回は社会から言うことを聞くよう要請されたということになります。  なかなか話を聞く気にはなれないですよね。しかも、ホストの世界を知らないのに「納税していない」「反社会的勢力とつながりがある」とイメージで論じようとする人が目立ちました。ホストも自分たちの世界のことしか知らないですが、ホストを批判する人たちも自分たちの生きる世界のことしか知らない。そういう意味では一緒なんです。だからこそ、新宿区長らの態度には心動かされました。一方で、ホスト側も自分は社会の一員だと自覚して、変わっていく必要があると感じています。

 ―手塚さんはこれまでも歌舞伎町に書店を開くなど、外に向けて発信を続ける姿が印象的でした。今回は行政と業界の橋渡し役を担うことになりました。  僕はホストの味方でも、行政の味方でもありません。「夜の街」と「それ以外」として、人々が分断させられることが本当にくだらないと思ったから動いたんです。私たちが分断させられて、競わされて、得をするのは権力者でしょう。歴史上繰り返されてきたことです。そんなこと、されてたまるかと思っただけです。   手塚マキ 1977年生まれ。19歳から歌舞伎町でホストとして働く。歌舞伎町商店街振興組合常任理事。ホストクラブなど16店舗を経営。文筆業や講演、「歌舞伎町ブックセンター」(現在は移転のため休業中)の開店などにも携わる。

配信

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記者会見する東京都の小池百合子知事

 新型コロナウイルスの集団感染発生によって、政治家からたびたびやり玉にあげられてきたホストクラブ。「『夜の街』対策が課題」などの文言が連日、メディアを通じて広められている。当事者はこの現状をどう見ているのか。200軒以上のホストクラブが存在する東京・新宿の歌舞伎町商店街振興組合常任理事で、行政との橋渡し役として対策に奔走する経営者の手塚マキさん(42)に聞いた。(共同通信=三浦ともみ)  ―6月から、新宿区とホストクラブなど歌舞伎町の事業者が感染防止策について話し合う連絡会議が行われています。  6月1日、新宿区の吉住健一区長から「ホストクラブのことを教えてほしい」とメールが来ました。当時、歌舞伎町のホストらから感染者がぽつりぽつりと出始めていましたが、営業自粛が求められていた中で感染した人たちが口をつぐんでしまい、感染経路を追えない状態になっていました。  吉住区長に会うと、「私たちは国民の健康を守りたいんだ」と訴えられたんです。こんなに自分たちのことを考えてくれていたんだと思いました。僕から、こういった区長の思いを直接事業者に伝えてほしいとお願いし、現在まで続く連絡会議が始まりました。

 ―それまでは、行政にどんな印象を持っていたのでしょうか。  敵だと思っていましたよ。小池百合子東京都知事があまりに「夜の街」「夜の街」と連呼するものですから。でも、区長らの姿勢は素晴らしかった。都と区の役割の違いなど地方自治のイロハから丁寧に説明してくれました。ホストのことを知りたいと言うので、ユーチューブでシャンパンコールも見てもらいました。区長の話を直接聞いた同業者は「区は味方だったんですね」と話していました。  区と事業者が互いに歩み寄ることで、感染者が出たら店を休み、スタッフ全員がPCR検査を受け、お客さんの情報を提供するという風潮が生まれました。    ―一方、検査に協力することによって歌舞伎町での感染確認者数が急増しました。感染経路を追えるようになったのに、「夜の街」に対する視線がますます厳しくなったように感じます。  なぜたたかれるのかと、協力したことを後悔している事業者もいました。メディアの責任が大きいと思います。政治家が使用したからといって、そのまま「夜の街」という言葉を引用する必要があったのでしょうか。業種や業態でひとくくりにするのではなく、どんな行為によって感染が広がったのかを説明することが、感染防止に重要な情報ではないでしょうか。

 

ホストたちが「夜の街」としてたたかれる様を見ることで、他の業種でも感染を言い出せない空気が生まれていると思います。感染経路不明者が増えることは、感染防止にとって最も致命的です。  ―「夜の街」と言われていることに、どう感じているのでしょうか。  同業者はみんな、ひとくくりにされてしまうことでお客さんが減るなど商売にどう影響するかを気にしています。差別といった人権的な問題は、さほど気にしていないと思いますよ。もともとどこかで差別された経験のある人が、歌舞伎町という偏見をもたれがちな場所にいるという感覚です。社会からドロップアウトした人間たちだから、差別されることには慣れているんです。  ―社会から排除されてきた人たちが、今回は社会から言うことを聞くよう要請されたということになります。  なかなか話を聞く気にはなれないですよね。しかも、ホストの世界を知らないのに「納税していない」「反社会的勢力とつながりがある」とイメージで論じようとする人が目立ちました。ホストも自分たちの世界のことしか知らないですが、ホストを批判する人たちも自分たちの生きる世界のことしか知らない。そういう意味では一緒なんです。だからこそ、新宿区長らの態度には心動かされました。一方で、ホスト側も自分は社会の一員だと自覚して、変わっていく必要があると感じています。

 ―手塚さんはこれまでも歌舞伎町に書店を開くなど、外に向けて発信を続ける姿が印象的でした。今回は行政と業界の橋渡し役を担うことになりました。  僕はホストの味方でも、行政の味方でもありません。「夜の街」と「それ以外」として、人々が分断させられることが本当にくだらないと思ったから動いたんです。私たちが分断させられて、競わされて、得をするのは権力者でしょう。歴史上繰り返されてきたことです。そんなこと、されてたまるかと思っただけです。   手塚マキ 1977年生まれ。19歳から歌舞伎町でホストとして働く。歌舞伎町商店街振興組合常任理事。ホストクラブなど16店舗を経営。文筆業や講演、「歌舞伎町ブックセンター」(現在は移転のため休業中)の開店などにも携わる。


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