■マーケット
NYダウ 小幅続伸
連休明けのNYの株価は、上下に振れました。ヨーロッパ市場が休場の上今後の指標やイベントを控え、少し動きづらかった面もあるようです。アメリカの指標は強弱まちまち。住宅市場は堅調だったものの、個人消費や物価は緩やかな上昇にとどまり冴えない内容。ここ数日、原油価格が伸び悩んでいる事も投資家を慎重にしているかもしれません。一方で、これらはこのところの市場の話題、4月利上げの思惑を後退させる要因でもあります。ホテルチェーンの買収合戦も相場を支える材料でしたが、方向感は定まりませんでした。株価終値、高安まちまちです。ダウが続伸。19ドル高、1万7,535ドル。ナスダックが反落です。6ポイントの下落、4,766。S&P500が4日ぶりの反発、1ポイント上昇、2,037でした。
【世界の株価】28日の終値
【NY証券取引所中継】米個人支出 底堅い
解説は大和証券CMアメリカのシュナイダー恵子氏
アメリカは3連休明け、ヨーロッパは休場で動意薄です。出来高は年内最低レベルだと思います。アトランタ連銀がGDP見通しを引き下げ、4月利上げ説が後退しました。株は方向感がなくGEや3Mなど大型株が買われました。
--個人の消費行動をどう見ましたか。
緩やかながらも底堅い、しかし4月利上げには強さに欠けるという印象です。個人消費支出は1月分が大幅に下方修正(0.5%増→0.1%増)され、3カ月連続で0.1%の伸びとなりました。ただガソリンなどエネルギーの価格下落を考慮すれば堅実なペースです。財の消費は弱いものの旅行などサービス消費が景気を支えています。
--一方所得は予想を上回りましたね
前回の雇用統計で賃金が伸び悩んだことで慎重な予想でしたが、家賃収入などが寄与しました。支出より所得が伸びた結果、貯蓄率は1年ぶりの高水準です。消費者心理が良好な割に財布のひもは緩んでいないようです。年初からの株安が不安要因でもあり、春以降の回復に注目しています。
【NY証券取引所中継】米退職・年金の事情
解説は大和証券CMアメリカのシュナイダー恵子氏
--アメリカでは人数に関心が集まる雇用市場ですが、その仕組みも日本と大きく違いますね。
例えばアメリカには日本の春の風物詩、入社式がありません。採用は必要に応じて随時行われるためです。逆に定年制度もありません。定年がないのは年齢により差別という考え方からです。
--ただ実際は何歳くらいで退職しているんでしょうか。
ギャラップ社によるアンケート調査では、直近で62歳です。ご覧のように退職年齢はかなりのペースで上がっています。次に何歳まで働きたいかという質問の答えは66歳です。この退職の先延ばし傾向が大卒者の就職難の要因ともなっています。
--これはやはり先行き不安からですか。
それはあると思います。62歳というのは年金の受給開始年齢です。この調査が始まった1991年の退職年齢は57歳でした。
・ 2016年 年金の受給開始年齢 62歳
・ 1991年 退職年齢 57歳
90年代と言えばクリントン大統領の下、アメリカが高成長を遂げ企業年金も手厚かった時代です。今は世界的な低成長、低金利で年金だけでは十分といえません。退職後の生活への不安は日本も同じことで、長期的な資産計画がこれまで以上に重要になっています。
【為替見通し】注目は「FRB イエレン議長講演」
解説はSMBC信託銀行プレスティアの尾河眞樹氏
アメリカの個人消費支出がさえない結果となってドルが軟調に推移しました。またイースターマンデーで小動きとなってまして、ワシントンでの発砲事件も今のところ為替には影響なしといったところです。
--今日の予想レンジが113.00円-114.00円です。 先週末からドル高円安地合いとなって、ドル円、昨日113円台後半まで上昇しましたが、背景には何があるんでしょうか。
本邦勢による年度末にむけた資金回帰、いわゆるレパトリエーションによる円買いも先週いっぱいで概ねピークを越えたと見られるほか、投機筋の円買いも一服してきたようでして円高圧力は後退しています。また今週末のアメリカの雇用統計や製造業 ISM などについては比較的良好な結果が予想されるために、これらに対する期待によるドル買いというのもドル円相場をサポートしてると思います。
--そして注目ポイントは「FRB イエレン議長講演」です。この講演の為替への影響はどうなるでしょうか。
先週は複数の FOMCメンバーから利上げに対して前向き、つまりタカ派的な発言が目立ったことがドル相場を押し上げました。この先週の流れを踏まえれば、イエレン FRB議長の発言もハト派職がやや後退している可能性が高く、その場合はドルが上昇すると予想しています。2月の急落以降、トレンドチャネルの上限であります 114円20銭付近、この辺りを超えるかどうかがポイントになってくると思います。
【日本株見通し】注目ポイントは「日銀短観」
解説はインベストラストの福永博之氏
予想レンジは16700~17150
今日は多くの企業の権利落ち日ですが、株価の戻りが期待される一方で、業績悪化の一株利益の低下から昨日の日経平均株価のPERが25.2倍まで上昇してきており、今季業績の着地や来期業績の見通しが不透明となっています。そのため株価の見通しについて強弱が対立するなど見方が分かれ、変動も大きくなる可能性があり日中の急激な値動きには注意が必要です。
注目ポイントは金曜日発表の「日銀短観」です。
今週は重要な経済指標の発表が目白押しとなる中、日銀短観に注目です。今回の日銀短観は大企業、製造業、非製造業ともに前回よりも足下のDIが悪化する見通しとなっていることから、仮に二つのDIに加え小幅なマイナス予想となっている設備投資も予想を下回る結果になった場合、市場心理の悪化は避けられず、株価の売り材料や重しになると思います。ただ一方で景気対策を催促する効果も考えられ、株価が下げ渋ったり反発したりした場合、投資家心理の改善につながる可能性もありますので、今回の日銀短観で一旦悪材料が出尽くしとなって、買い意欲が高まることになるのか、アメリカの雇用統計も控えており、その結果と反応が注目されます。
(P.S.)
短観で使われている「D.I.」(ディー・アイ)とは、Diffusion Index(ディフュージョン・インデックス)の略で、企業の業況感や設備、雇用人員の過不足などの各種判断を指数化したものです。D.I.は、各判断項目について3個の選択肢を用意し、選択肢毎の回答社数を単純集計し、全回答社数に対する「回答社数構成百分比」を算出した後、次式により算出しています。
D.I.=(第1選択肢の回答社数構成百分比)-(第3選択肢の回答社数構成百分比)
■スタジオコメンテーター《東海東京証券/佐野一彦氏》
・--債券市場が注目しているGDPナウですが、予想とはいえ弱いですね
最近FRB関係者の4月利上げという声も多くなっていますが、こういった一連の指標を見る限りどうでしょう。基本的にFRBとしては利上げしたい、一方であまり利上げしたと鮮明に出すとマーケットがシュリンクしてしまうから、バランスを取っているんだと思います。あまりに金利水準が低いので上げたいというのが彼らの想いですが、利上げはないというのを織り込ませたくないということです。
・日刊モーサテジャーナル ②上昇相場が続かないと考える投資家 を受けて・・・
--アメリカの上昇は続かないですか。そうした不安のようなものがあるんですか。
世界的に人口動態などを考えると低成長期に入ったという見方は正しいと思います。だからアメリカの独り勝ちというのはあり得ないし、アメリカが強ければ利上げしたくなりますし、そうすると株価が下がります。
・経済視点「新年度入り」
■【プロの眼】
進むイールドカーブのフラット化
日銀のマイナス金利政策決定から約2ヵ月、イールドカーブのフラット化が進むが、新年度に入ってもさらにフラット化が進むと見ています。なぜなら、国債への一定の償還再投資は必要であり、資金はプラス利回りの超長期ゾーンに向かうことが必至であるからです。しかも、イールドカーブの発射台となる翌日物金利はマイナス金利が拡大したとしても大きく下がることは見込めないので、一段とフラット化すると見ています。
《解説:東海東京証券/佐野一彦氏》
--今週末から新年度入りということで債券市場の見通しを伺います。国債のイールドカーブ、利回り曲線を見ていきますと、日銀のマイナス金利政策からおよそ2ケ月、どんどんとフラット、平坦になりつつあります。これは今後も続いていくと見ればいいんですか。
行くでしょう。年限が短いところはマイナス利回りになっています。マイナス利回りで最後まで持っていると収益がマイナスになりますから、とりわけ国内の投資家はプラス利回りのこと路にお金を持っていきたい。その流れが強まっているというのが、イールドカーブのフラット化の背景だと思います。
--もともと日銀に狙いは発射台のところを下げることにより、イールドカーブを下げるということでした。ではその発射台がどうでしょう。
最初の1ヶ月は短いところも下がったわけですが、実際2月16日からマイナス金利政策が始まって、無担保コール翌日物オーバーナイトがどう推移するかの確認をしたかったのですが、マイナス0.1に張り付くことなくマイナス0.002位です。
--そこまで下がらないということですね。
いろいろな理由があります。マイナス利回りでコール市場で運用したくないという人もます。それから日銀も一部しか当座預金をマイナスにしてないですから、すべてがまいなす0.1%かかるわけではない。いろんな形で結局0より若干マイナスのところで推移したということは、これから先日銀は追加緩和でマイナス金利を0.1より深くする可能性がありますが、その時にあまり下がらないのではないか。
--そうなると全体的な形というのはどうなるでしょうか。高い利回りのところを追求するために、ずいぶんと(イールドカーブが)下がる見通しですか。
このままいきますと例えば3カ月先位には20年で0.1、30年で0.2、40年で0.3%ちょっとくらいになっても不思議じゃないです。
--20年先、30年先のリスクがそれだけしかないというのはおかしくないですか。
リスクプレミアムがプラスではなくマイナスになってしまっています。これは日銀がそれだけ大量に買っていることに起因しています。正直、無理に押し下げられている。押し下げられたものは反発があります。例えばCPの札割れ、国債の札割れが頻発するのであれば、マネタリーベースの積み上げは難しい。今の金融緩和が限界に達した。じゃあ減額ということになれば、今度は金利が上がります。そうすると金融機関は収益が苦しいですし、発行当局、国にとってもコストが上がりますから、結構問題を抱えてしまったということです。
--そういったリスクが現実味を帯びてきているということですか。
はい、そうです。
■今日の予定
16年度予算成立
2月家計調査
米・1月 ケース・シラー住宅価格指数
米・3月 消費者信頼感指数
米・FRB イエメン議長 講演
■ニュース
米議会で発砲 容疑者拘束
アメリカの首都ワシントンにある議会の建物で先ほど警官が武器を持った男に発砲する事件があり、ホワイトハウスが一時封鎖される事態となりました。容疑者の男はすでに身柄を拘束されています。事件は議会議事堂にある見学者向けのビジターセンターで起きました。警察の発表によりますと、男が警官に武器を向けたため警官が発砲、男は撃たれ病院に運ばれました。近くにいた女性一人が軽いけがをしましたが、警官にけがはなかったということです。事件は単独犯によるものでテロの可能性はないとしています。
米個人消費支出 ↑0.1%
アメリカの個人消費は緩やかな拡大を続けています。商務省が発表した2月の個人消費支出は前の月に比べ0.1%増加し、13ヵ月連続の上昇となりました。ただ、世界経済の先行き不透明感から消費を抑える動きも見られ貯蓄率は去年2月以来の高水準となる5.4%に上昇しました。今後の利上げに影響する個人消費支出物価指数の食品とエネルギーを除くコア指数は0.1%の上昇に留まりました。4月のFOMC=連邦公開市場委員会での利上げの可能性は低下したとの見方が広がっています。
《米・貯蓄率(前月比)》 5.4%(+0.1%) 15年2月以来の高水準
《米・2月個人消費支出物価指数》 コア +0.1%(前月比)
4月FOMCでの利上げの可能性低下か
米GDPナウ 大幅下方修正
アトランタ連銀が主要な経済指標などを用いてアメリカのGDP=国内総生産を予想する「GDPナウ」が大幅に下方修正されました。1月から3月期の見通しについてこれまで前の期に比べ年率換算で1.4%の増加とされていましたが、これが0.6%に引き下げられました。
《米・1-3月期 GDPナウ》 +0.6% (従来予想 +1.4%)
連銀総裁「世界経済に不透明感」
アメリカのサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が早期の利上げに慎重な姿勢を示しました。ウィリアムズ総裁は28日、CNBCとのインタビューの中で、「アメリカ経済は極めて順調だ」とする一方で「重要なのは世界的な金融・経済動向であり、それらがドルやアメリカ経済に対しどのような影響を及ぼすのか、不透明だ」と強調しました。
中古住宅成約指数 1年ぶりの伸び
全米不動産協会が28日発表した2月の中古住宅成約指数は、前の月に比べ3.5%上昇と去年2月以来1年ぶりの強い伸びを記録しました。市場予想を大幅に上回り春に向け本格化する中古住宅販売の先行きに明るい材料となりました。南部や西部がプラスだった他、中西部が特に好調で11.4%増加しました。
《2月の中古住宅成約指数》 +3.5%(前月比) 市場予想(+1.5%)を上回る
中西部 +11.4%(前月比)
南部 +2.1%
西部 +0.7%
ホテル買収合戦 米中で競争激化
シェラトンなどを持つアメリカのホテルチェーンスターウッドホテルアンドリゾートの買収をめぐり、米中の競争が激しさを増しています。スターウッドは28日中国の企業グループから当初の買収提案より一株あたり4ドル75セント上乗せした新たな買収提案を受けたと発表しました。総額はアメリカのマリオット・インターナショナルのおよそ128億ドルを大幅に上回る140億ドルで、スターウッドは「より優れた提案だ」と評価しています。一方、マリオットは長期的に利益をもたらすのはマリオットが示す買収案であり、スターウッドの経営陣はそれを支持していると主張しています。
《米・スターウッド買収総額》
・ 米マリオット 約128億ドル
・ 中国安邦保険集団 約140億ドル
待機児童解消へ緊急対策
「保育園落ちた日本死ね」という匿名のブログをきっかけに社会問題となった待機児童問題をめぐり、政府はきのう、待機児童の解消に向けた緊急対策を発表しました。緊急対策では現在19人以下としている小規模保育の定員数を22人まで拡大することや、保護者からの相談に応じる「保育コンシェルジュ」の設置を推進することなどが盛り込まれました。一方、保育士確保のための給与など処遇改善については明記されず、政府は5月に取りまとめる「1億総活躍プラン」に対策を盛り込む考えです。また、厚労省は保護者が育児休業中などのために、これまで「待機児童」にカウントされなかった児童がおよそ1万人いると新たに発表しました。これで、潜在的な待機児童はおよそ6万人となります。
ローソン社長交代を発表
ローソンは6月に副社長の竹増貞信氏が社長兼COOに昇格し、社長の玉塚元一氏が会長兼CEOに就任する人事を発表しました。ローソンの大株主である三菱商事出身の竹増氏を社長に置くことで今後、成長が見込める海外事業などで三菱商事との協業を強化する狙いです。
味の素オフィシャルパートナーに
味の素はきのう、2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会と「オフィシャルパートナー」としての契約を結びました。味の素はすでに、JOC=日本オリンピック委員会の協賛社として、日本選手団への栄養サポートを行っていて、今回の契約により、支援をさらに強化するとしています。
保護生徒の父「ほっとしている」
行方不明になっていた埼玉県朝霞市の女子生徒が保護された事件で、父親がきのう夜、会見し、およそ2年ぶりに娘と再会した心境を語りました。また父親によりますと、女子生徒は、両親や支援者が情報提供を求めてチラシを配っていた様子をインターネットで見て知っていたということです。一方、捜査関係者によりますと、女子生徒が行方不明になった直後に、自宅に届けられたメモや手紙は、きのう身柄を確保された寺内樺風容疑者に書かされたと女子生徒が話していることが新たにわかりました。警察は寺内容疑者が家出を装って女子生徒を監禁した可能性があると見て調べを進めています。
安保法が施行
去年夏に成立した集団的自衛権行使の一部容認を含む安全保障関連法がきょう、施行されました。施行を受け、武装集団から国連職員などを武器を使って守る「駆けつけ警護」などの危険な任務も、法律上は行えるようになりますが、政府は、実際に行うのは参院選後の秋以降に先送りすることとしています。施行を前に、きのう夜には、安全保障関連法に反対する学生や市民などが国会周辺に集まり、抗議デモを行いました。
■【ネタのたね】
東急プラザ銀座 日本の伝統と革新を発信
東京・銀座にあさってオープンする大型商業施設「東急プラザ銀座」が公開されました。この施設のコンセプトは「クリエイティブ・ジャパン」。そのため、建物全体を日本の伝統工芸である「江戸切子」をモチーフにしています。さらに「伝統」と「革新」をキーワードに日本を代表するような「和」を感じさせるアイテムやアニメなど日本文化に特化した店も出店。またバリーなど伝統あるブランドが日本で初めての旗艦店を投入するなど全13フロア、125店舗が出店しています。訪日観光客の取り込むも図り初年度1,000万人の来場を狙います。
■【リーダーの栞】
伊藤ハム堀尾守社長
今回のリーダーは、伊藤ハムの堀尾守社長。紹介する本は、経営学者のピーター・ドラッカーが書いた「現代の経営」。企業、経営者が果たすべき役割とは何か、組織がどうあるべきかを分かりやすく解説しています。堀尾社長は、ドラッカー氏が説く「組織の中で役割の明確化する」という考えに共感したといいます。
■ビジネス書ランキング
1.幸せになる勇気 岸見一郎/古賀史健
2.嫌われる勇気 岸見一郎/古賀史健
3.一流の育て方 ムーギー・キム/ミセス・パンプキン
4.日本人だけが知らない「がんばらない」投資法 中井俊憲
5.結局「すぐやる人」が全てを手に入れる 藤田達蔵
■日経超特急
①かんぽ・第一生命と提携
かんぽ生命保険が第一生命保険と海外での共同投融資を柱に包括提携する。両社がきょう取締役会を開き、正式に合意する。国内でもビッグデータを使った新商品の共同研究や保険商品の相互供給を検討。これに対抗し、業界では提携を模索する動きが広がりそう。
②シャープ赤字2000億円
シャープの今期の最終損益は2000億円規模の赤字の見通し。
主力の液晶パネル事業の収益が悪化したうえ、生産設備の減損処理などの特別損失がかさむ。買収で大筋合意している台湾・鴻海精密工業は在庫評価損の追加計上を求めていて、赤字がさらに増える可能性がある。
③日銀CP購入、予定額割れ 金利に下限初設定
日銀は28日、金融緩和のために実施した短期社債(CP)買い入れで当初予定の6000億円分を買えなかった。マイナス金利政策の影響でCPの応札金利が急低下(価格が急騰)し、日銀が損失拡大を避けようと購入金利に下限を設定したためだ。マイナス金利政策と大量の資産を買う量的緩和の両立が難しくなっている。
《東海東京証券/佐野一彦氏》
--マイナス金利政策を決定してからおよそ2ケ月ですが、下限をはじめて設定しました。スピードどうですか。
早かったのかもしれないですね。ただいずれこういった事態が訪れるということは想定されていたと思います。
--これは国債で、というのはどうなんでしょうか。
まだCPですと短期的です。ところが今マネタリーベース80兆円吊り上げるのは国債でやるということなんで、国債で札割れが続くと厳しいです。
④安保法施行、集団的自衛権 行使可能に 戦後防衛政策を転換
集団的自衛権の行使容認などを柱とする安全保障関連法は29日、施行された。歴代政権が憲法9条の下で禁じてきた集団的自衛権が使えるようになり、戦後の防衛政策は大きな転換点を迎えた。新たに任務に加わる国連平和維持活動(PKO)の「駆けつけ警護」などの運用は7月の参院選以降に先送りする。運用計画策定や訓練の準備を慎重に進める。
■日刊モーサテジャーナル
①租税回避への取締(フィナンシャル・タイムズ)
租税回避への取締が強化されていることについて、多くのアメリカ企業が決算に悪影響が出ると反発している。フェイスブックなどアメリカハイテク企業などはアイルランドなど法人税率の低い国で利益を計上することで実際に業務を行っている国での法事税を回避してきた。租税回避の税額は最大で法人税収入の10%にあたり、この資金が投資家への利益還元策にも使われてきたという。租税回避を取り締まる動きに警鐘を鳴らすアメリカの企業は去年の2倍以上増えたという。
②上昇相場が続かないと考える投資家(ウォール・ストリート・ジャーナル)
投資家の間で株価の大きな変動にかける動きが広がっている。市場の不安心理を表すVIX指数、それに連動する上場投資信託への資金の流入が加速しここ1ヶ月のペースは過去最高だった。一般的にVIX指数が上昇するのは株価が下落する時だが、こうした投資信託への資金流入が増える背景には中国経済の動向やアメリカ企業の決算に対する警戒があると分析。上昇相場が続かないと考える投資家が増加しているとみられている。
③モバイル書店(ニューヨーク・タイムズ)
アメリカではネット通販の台頭で閉店に追い込まれる書店が増えているが、復活の兆しがみえてきた。その立役者となっているのが、移動できる書店。大型車を使って街中を駆け巡り人が集まるところに行って本を販売する。モバイル書店の経営者は客層を広げるために有効だと話しているという。去年のアメリカの書店の売上高は前年比の2.5%増加。2007年以来始めてプラスに転じた。