モスクワ特派員より11月22日のオシポワのボリショイでジゼル初演の観劇記を寄稿頂きました。ちなみに彼女は社内報のようなものにボリショイの感想をかているそうです。
12月にトリノで公演し大好評だったオシポワのジゼルの初日の様子です。写真はそのトリノの際のカテコ写真。
オシポワらしく軽がると高く大きく飛ぶ、高速で回る、散々踊った後、突然思い出したように苦しそうに胸を押さえる、ジゼルは心臓が弱いと言う設定ですが病弱には全く見えません。そして叶わぬ恋の苦しさから逃れるように狂乱してしまうのではなく周りの人を巻き込んで大騒ぎの挙句に自分で発狂死することを選んだよう
ウィリーになったといっても自分が生身の体でなくなったとは理解していない。判っているのは恋人を死のダンスから救うことだけ。だからとにかく踊りまくる。
(足音がしないことが唯一ウィリーらしかったですが)最後日の出と共にジゼルが去っていく時ロマンチックな物語の可憐な主人公ではなく「やるべきこと」をやり遂げた一人の強い女性の姿を見たようでいつものジゼルとは全く異なった感動を覚えました。
この日のカーテンコールはいつまでも止まない拍手と喝采でとても盛り上がりました。オシポワのジゼルは口うるさいモスクワのバレエ愛好家達にもうけいれられたのでしょう。
しかし、ベテランのボリショイプリマ、プリンシパルの一部には「あれはジゼルじゃない、ホラー映画だ」とバレエの古典的美しさから外れた彼女の余りにも真に迫った狂乱の演技(と化粧)に対する厳しい声もあったようです
個人的にはこんなジゼルがいても良いのではと思います。
オシポワはモスクワっ子だそうですが日々変化していくモスクワの街のように活気があり自己主張がしっかりしているところなど時代と場所が生んだダンサーなのかもしれませんね。
レポートありがとうございます。
オシポワさんですが、今週水曜日(20日)にボリショイ新館で、モスクワ初演されるヨハン・コボー版「シルフィーダ」でも初日を踊られるようですね。
「ジゼル」など脚光が当たりすぎているので、「シルフィーダ」の初日はクリサノワやコバヒゼに譲っては?と思うのですが。
ラトマンスキーのみならず、ヨハン・コボーにも相当気に入られているようです。
モスクワ特派員さま、どなたかこの公演をご覧になる方がおられましたら、またレポートや画像など宜しくお願いいたします。
明日のシルフィーダの新振り付け初演のReminderありがとうございました。
早速モスクワ特派員各位に依頼したところ この記事を寄稿頂いた特派員Sさんより明日のチケットを入手したので見に行きますとのご連絡ありました。
3階席とのことで写真の方は厳しいかも知れませんが寄稿お待ちください。