海賊 ボリショイバレエ June21 2007 Le Corsaire Bolshoi

以前UPしていた動画がYahooのファイル利用システム変更の為　削除されてしまいモスクワ駐在時代のブログ記事のリンクを見ることが出来なくなってしまいました。

新しい記事の方から順番にYOUTUBEの動画に順次更新していきます。

又写真もWindows　Liveを使ってスライドショーにしました。

先ず最初の再録の記事は何といってもモスクワ離任の直前の2007年6月21日に新版の初演　海賊です。モスクワ離任前にザハロワの舞台を見る最後だったこともあり初演の後の劇場内の施設で開催されたパーティーが終わってザハロワが出てくるまで深夜０時30分まで出待ちしてザハロワの弟さんに無理を言って撮影してもらった２　Shotは思い出深いものです。

深夜でお疲れのザハロワですがプロ意識で笑って渡した花束を持って撮影に応じてくれました。スライドショーの最初にサインとTwo ShotをUpしました。

YOUTUBE動画

写真のスライドショ－　Picture Slide Show

 

待ちに待った海賊のＰｒｅｍｉｅｒｅの初日を見てきました。

ザハロワもマトヴィエンコも素晴らしい出来で舞台も大変豪華で楽しめました。観客の反応も上々。

事前情報の通り兎も角長いバレエでした。7時15分開演で3幕の終演は10時45分。ゲネプロでは１１時になってしまったとのことで途中の休憩の時間を多少短くして１0時４５分終演とした模様。

昔の振付を出来る限り復活させラトマンスキーが手を加えた結果　演目が長くなった様です。長いのは間違いないのですが全く飽きるということはありませんでした。

１幕目１場ザハロワは白いチェチェに頭に青い丸い小さな帽子を着けてベールを被って２階のバルコニーからコンラッドに秋波の花束を投げるという登場ですが一幕の２場（海賊の洞窟）ではこの衣装に途中で着替えてさらに踊りの場面でトルコ風の服に着替え又最後にこの衣装に着替えて登場といった具合でファラオの娘を思わせるメドーサ役ザハロワの衣装の着替えも楽しめました。

今年初めに日本で見たレニングラードバレエの海賊とは一部筋が違います。レニングラードバレエの海賊は１幕１場で船が難破してコンラッドなどが漂着、それをメドーサらが助けるという筋ですがボリショイの今回の振付では１幕１場はレニングラードの１幕２場と同じトルコの港の奴隷市場。

 

* Please refer to article on TV Channel Russia Today (Internet version) regarding article about Le Corsaire on June21. There is a short inverview with Ms Zakharova too.

RUSSIA TODAY :THE CORSAIR

ＲＵＳＳＩＡ　Ｔｏｄａｙはロシア政府が海外にロシアの情報を配信するＴＶ局ですが最近Ｉｎｔｅｒｎｅｔ配信を始めました。何時までこの記事を配信するのか判りませんし一寸画面が小さいですが初日の記事が出ましたので是非ご覧下さい。なおボリショイ版はメドーサはトルコでなくギリシャの女性との設定とのことでした。海賊がボリショイのトレードマークになる可能性ありとのコメントもあり。

振付：プティパ　振付復活：　Ｙｕｒｉ　Ｂｕｒｌａｋａ，ラトマンスキー　新たな振付：ラトマンスキーとの事でマリインスキー劇場向けに１８６３年にプティパが振付けた版を復活させると共に改定して新たな振付を入れた版です。又アリがいません。

この大事な初日をザハロワがメドーサなのは判りますが相手がウヴァーロフでなくマトビエンコなのは何故かというご意見が当方ＥＭＡＩＬに届きましたがウヴァーロフは日本公演を控えて抑えたのか、いずれにせよウクライナ出身の２人は相性が良いんでしょうね。

話は違いますが先週末にキエフにとんぼ返りで初めて行きました。１６日夜は１１月から日本公演に行くキエフバレエ団のガラコンサートを見る事が出来ました。これは後日ＵＰします。

キエフに行って実感したのはウクライナは当たり前ですがロシアとは別の国ということです。ロシアにいるウクライナ人はロシア語を話していますがキエフではウクライナ語（ロシア語に近いが違う文字使いあり違う言葉遣いも多い）の表示でウクライナ語を話しています。最近の政治混乱もＥＵに近づきたい地方とロシアに戻ろうとする地方のせめぎ合い。異国ロシアで同胞はやはり近しい関係でしょう。

話がそれましたが以下肝心の海賊の

一幕一場　：メドーサがさらわれる

ボリショイ版には海賊船が沈むというプロローグがありません。替わりにエピローグで海賊船が沈むという設定になっています。これのエピローグのセットはお金を掛けた凄いもので確かに見世物としては最後にこのセットで見せるのは盛り上がって良いのかなと思いますがヒメさんのコメントのように海賊らしい場面はこのエピローグだけという見方も確かですね。

さて幕が開くと港町のバザール（レニ国のパンプではトルコの港町との説明ですがボリショイには記載ありません。只出てくる衣装から見るとトルコでしょう）。

カーペットを敷いて世界中から連れてこられた女性の奴隷が自分を売り込み中。ボリショイのパンフの解説ではここで奴隷を物色しているのはトルコ人、ギリシャ人、アルメニア人とのことですが一寸区別出来ませんでした。今晩と明日見るときに良く注意して見ようとも思いますがまず無理でしょう。　子供達がコソ泥したり騒がしい。

コンラッド一団の部下が６人ずつ２組斜めに舞台に入場。バルバント（Rinat Arifulin)最後にコンラッドが入場。マトビエンコは写真でご覧の通り付け髭を付けてます。２日目のフレッソフはヒゲをつけてませんでした。クレッソフは上半身ががっちりした見るからに海賊に相応しい体型とうことでヒゲなど無くても十分海賊に見えるとの自身の判断だったのかも知れませんがやぱり「パイレーツ　ＯＦ　カリビアン」の印象もあり海賊にはヒゲですよね。驚いたことに今回のボリショイのパンフにはあの映画の海賊の写真がもっとも有名な海賊、Ｃａｐｔａｉｎ　Ｊａｃｋ　Ｓｐａｒｒｏｗ（Ｊｏｎｎｙ　Ｄｅｐｐ）として載っています。

メドーラはバザール商人Issac Lanquedem(ゲンナジ・ヤニン　付け鼻をして頭に坊主のカツラを被ったり外見では全くヤニンとは判らない変装ですがその達者な演技は見もの）の奴隷で登場はその２階のベランダで白いベールを被って登場。コンラッドに一目惚れしたメドーラがベールを上げて顔を見せコンラッドに花を投げて愛情表現をしコンラッドは下でこれを受け取けとる。

ＲＵＳＳＩＡ ＴＯＤＡＹの番組で一瞬この場面が写っています。これはパンフではＳＥＬＡＭと呼び花言葉で表現する１８-１９世紀にヨーロッパで盛んだったものとの解説。

メドーラは早速下に下りてコンラッドと踊る。商人が割って入りメドーラには大金が要るよとマイムで表現。Ｒｕｓｓｉａ Ｔｏｄａｙの番組でも出ていますがこのバレエではマイムが沢山使われます。パンフにマイムの図解のページが親切にあるほどです。因みに下記１４種類のＭｉｍｅの図解。

I implore you, Money, Capativity/imprisonment, Tired, Beautiful woman, I, I swear/I impose, Thither/over there, To dance, Slave, To marry, To kill/to execute, TO call/to appeal, I don't want, I love

ここに兵隊に先導され御輿に載ったセイード・バシャ（トルコ総統）（Aleksey Loparevich)登場。この輿から降りるところからＬｏｐａｒｅｖｉｃｈの演技が見事です。よろけつつ杖とついて立ち上がる。商人が群がって女性を売り込むが相手にせずベランダのメドーラを見初める。これをヤニン演じる商人がメドーラはよぼよぼでダメですよと何とか思いとどまらせようと画策。替わりに女性を紹介。