
日本特派員Yさんからバーミンガム・ロイヤル・バレエ「美女と野獣」1月7日の観劇記を寄稿いただきました。写真は同公演のブログより1月8日のカテコ写真。東京は本当に入れ替わり立ち代り世界中のバレエ団が公演していて良いですね。
それと丁度Dance Cube チャコットにAngela Kaseさんが同バレエ団のくるみの記事などを載せられていますね。
振付 デヴィッド・ビントレー
音楽 グレン・ビュアー 指揮 バリー・ワーズワース
演奏 東京シティフィルハーモニック管弦楽団
ベル 佐久間奈緒
野獣 ツャオ・チー
プロローグ
ベルが、書庫で脚立に乗り、本を読んでいます。(ここでも、ベルは本が好き) その周りを、若い王子と友人達が、狐狩りをしていますが、木こりに止められ、その姿が、徐々に動物に変わっていきます。 最後には、王子までもが、醜い野獣の姿になってしまいました。
1幕1場
ベルの家 ベルの父親は商人で、荷物が紛失したからと、差し押さえられそうな場面。 運び出される家具と、辞めていく家政婦達。 2人の姉は、強欲で、着るものを取り返そうとしています。 紛失した荷物が見つかり、また元の通りに戻ってくる家具や家政婦達。 父親が出掛ける際に、ベルはお土産に薔薇の花を頼みました。
1幕2場 野獣の城
天候が悪化し、荷物も奪い取られた父親は、人気の無い屋敷に入り、誰もいない部屋で、飲み食いの接待をされる。 朝になると、荷物は戻っていて、戻ろうとする時に、ベルのために、薔薇の花を手折るところを、野獣に見つかってしまいます。 舞台装置が、簡潔で、真ん中の扉の周りの、壁を閉じたり開いたりするだけで、外から見た屋敷の風景になったり、内側から見た部屋に入ってくるように見えたり、工夫されています。しかも、その壁を動かすのは、動物姿のダンサーさん。 カラスの男性(アレクサンダー・キャンベル)が、見事なソロを踊りますが、コールドも、みんなカラスの仮面なので、踊りにくいでしょうが、一種、不気味な世界を醸し出していました。
1幕3場 ベルの家 父親が家に帰り、出来事を話しますが、無事に帰れた条件は、一番若い娘(ベル)を野獣の元に、来させること。 ベルは、父親を助けるために、自分の身を投じ、野獣と会います。 一緒に踊る姿は、どこか警戒していて、硬い表情ですが、意思の強そうなベルを好演していました。
2幕1場 舞踏会
数ヶ月間、滞在している間に、ベルは野獣の風貌にも慣れ、優しい心に気づくようになりました。 一緒に様々な動物の姿に変えられた、宮廷の人々と一緒に、舞踏会で、美しく踊ります。 求婚されても、拒否されてしまい荒れる野獣の姿に、周りはびくびく。 ベルが父親に会いたいと言う希望を叶えるために、家に帰す約束をします。 薔薇の花が枯れる前に城に戻るようにと
2幕2場 結婚式
家に戻ると、姉の結婚式の準備が整い、料理・客・牧師が、揃っていました。 姉は2人共、花嫁姿で、肝心の花婿は、どちらと結婚するつもりか決めていません。 ここは、関係ない話のようにも思えますが、ベルと野獣の「愛の本質」と対比して、環境や外見が揃っていても、心の無い愚かな人たちを、コミカルに、揶揄しているようにも思えます。どこまでも、意地悪な姉達は、ベルを家から出さず、薔薇の花も引きちぎってしまいます。
2幕3場
呪いが解ける 野獣は、家に帰ったままのベルがもう戻らないと思い、衰弱していきます。 臨終の際に間に合ったベルは、本当に愛していること、結婚にも応じると告げます。 野獣の姿は、元の王子の姿になり、ベルの前に現れますが、優しい野獣の姿を捜し求めるベル。 しばしの戸惑いが、喜びに変わり、本当に幸せそうな2人の踊りを、同じく人間の姿に戻った友人達も見ています。 野獣から王子に変わるときの、照明のがまばゆい程に光り輝き、とても効果的です。 最後は2人で、光の中に消えて行き、扉も閉まります。 木こりの姿を見ると、御伽噺が永遠に続くような気持ちになります。
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