長年 の取引先の刷毛問屋さんから、幅280mmの糊刷毛で、毛厚は10mm、毛丈は36mm江戸型の板形状という製作依頼がありました。添えられていた簡単なスケッチを基に製作に入りました。通常の糊刷毛の規格サイズは9寸(約260mm)尺(約290mm)ですので、尺の木柄を希望通りのサイズに小さくカットして製作し納品しました。結果は、この刷毛を機械などに取り付けて使用するようで、製作した糊刷毛の木柄の厚味が10mmで、毛厚が10mm計20mmでは取り付け出来ないので、全体の厚味を10mmで仕上げて欲しいとのことでした。ユーザーさんの希望を叶えるには金巻き方式で作成するしかありません。通常の金巻きニス刷毛では100程度が限度で、280mmに及ぶ大物の製作は初めてでした。先ずは厚さ10mm幅280
mmの金具を作る為の型枠を製作し、その型枠にブリキを巻きつけハンダ付けして金具の完成。その金具の中へ糊刷毛用の山羊毛を入れ込み、毛丈を36mmに合わせ固定した後ポリエステル樹脂により接着を試みましたが、どうしても毛丈(毛先?)が揃わず、この方法での製作は断念。色々試行錯誤の上完成したのが、ここの掲載した刷毛です。我ながら見事に完成した自信作になりました。制作方法は企業秘密です。問屋さんを通じユーザーさんに届けられましたが、結構気にって頂けたようで、半年後、返り注文が入ってきましたが、何とか苦労して一日5本程度しか製作できない状況の中、15本の注文を頂いてしまって、嬉しいやら大変やらで、他の注文の合間をぬって、何とか注文に応じる事ができました。悩んで悩んで一つの製品が出来上がり、結果として使用される方に気に入ってもらえる事は職人冥利に尽きる。幸せです。
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やりましたね(^-^)v